
浜松市からちょっと足を伸ばした先にある菊川市は、“深蒸し茶”発祥の地。お茶好きが集まるこの地に、花と緑に囲まれた美しいガーデンがあるお茶専門カフェを見つけました。
「san grams(サングラム)」は、創業120年を超える老舗「丸松製茶場」が手がけるお店。緑いっぱいの空間で、個性豊かなシングルオリジンのお茶や極上の和スイーツを楽しめます。
JR菊川駅から歩くこと約3分。ひときわ存在感を放つ、横長の建物が見えてきたら、ここが「san grams(サングラム)」。こちらは、創業120年を超える老舗製茶問屋「丸松製茶場」が、「おいしいお茶を飲んでもらいたい」という願いを込めて、2015年4月にオープンさせました。
新進気鋭の若手建築家・小川博央さんが手がけた建物は、シンプルモダンな佇まい。正面に「茶柱」をイメージした細い木をあしらうなど、モダンでありながら、お茶を連想させるこだわりが詰め込まれています。
わくわくしながら、店内へ。中は明るく開放感いっぱいの空間。入ってすぐの場所には、お茶販売スペースがあり、奥にはカフェスペースがあります。
一般的にお茶は、コーヒーと同じように、いくつかの生産家の茶葉を製茶場でブレンドして、製品に仕上げます。しかし、「san grams 」のお茶は、ブレンドする前の「シングルオリジン」と呼ばれる茶葉を使うこだわりが。単一農園で摘み取られたお茶は、びっくりするほど個性的。一服ごとに異なる味や香りを楽しめます。
また、日本茶のみならず、海外から仕入れるオーガニックの紅茶やハーブティーも取り揃えています。ここに来たら、種類豊富な中から、お気に入りを探すのも楽しみのひとつ♪
店内のお茶は、試飲可能。気になるお茶があれば、スタッフさんに声をかけて、いろいろ飲み比べをしてみましょう。
夏はフィルターインボトルで作る冷茶2種をいつでも自由に試飲できます。暑い日は、ひんやり冷茶で涼やかになりますよ♪
屋外には、テラス席とつながった、約240坪の広大なイングリッシュガーデンがあります。生き生きと葉を広げる草木を眺めていると、森の中でくつろいでいるよう。緑いっぱいの安らぎの空間で、贅沢なひとときを過ごせます。
ドリンクは、深蒸し茶をはじめとして、浅蒸し茶、かぶせ茶、ほうじ茶などのほかに、芽茶や茎茶と言った珍しいメニューも。
数あるメニューの中で、お茶好きにおすすめしたいのが、菊川産の深蒸し茶。このお茶は、2023年6月、国が認めるブランド品として、静岡県で初めてGI登録されました。そんな菊川で作られる深蒸し茶は、きれいな緑色と、渋みが抑えられたまろやかな味が特徴。二番茶でもうま味を感じられ、おいしくいただけます。
暑い日には、のど越しの良い水饅頭(夏季限定)とお茶のセットを楽しんで。ドリンクは2種類から選べます。冷やしたお茶と見た目も涼し気な水饅頭は、相性バツグン。新茶の時期には、やわらかな若葉の香りと甘みを感じられる、この時期だけの味わいになります。
夏の時期をより盛り上げてくれるのが、静岡県全域で行われている夏季限定イベント「茶氷プロジェクト」。イベント期間中、静岡茶を使った創作かき氷メニューが、全60店舗で味わえます。
「san grams 」では、「きくがわ抹茶みるく」と「和紅茶みるく」、2種類の茶氷が登場。中でも、「きくがわ抹茶みるく」は、菊川産の旨みたっぷりでほろ苦い抹茶と、こっくりコクのあるミルクとバランスが絶妙です。お茶の街・菊川ならではの味わいを満喫してくださいね。
お茶に、スイーツに、かき氷に。新たなお茶の魅力に気付かせてくれる「san grams」。お茶好きの方は、ぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか。