京都・吉田山の青もみじさんぽ、新緑に輝く神楽岡から京大キャンパスへ♪ 隠れ家カフェや庭園美術館も

  • 2025年5月1日
  • ことりっぷ


桜の花びらが舞い散ると、次にやってくるのが青もみじの季節。銀閣寺近くの吉田山は一帯が吉田神社の境内で、神々が集う「神楽岡」として地元で親しまれています。目にも鮮やかな新緑と、若葉の香りをのせた穏やかな風が心地よい初夏の吉田山をめぐってみませんか。
「吉田山」へは、京都駅からバスで約40分の銀閣寺道で下車、神楽岡通を南へ10分足らず歩くと、右に見えてくる緩やかな石段が吉田山への上り口です。山とはいうものの、標高は100mほどの丘。おさんぽ気分で気軽に散策できます。
しばらく石段を上ると、タイムスリップしたかのような古い住宅地が現れます。大正から昭和にかけて建てられ、当時は主に京都大学の教官が住む賃貸住宅でした。家はよく手入れされており、なかには国の文化財に登録されているものもあるそう。今もここで暮らしている方がいるので、静かに散策しましょう。
耳をすますと、木々のざわめきや鳥のさえずりが聞こえてきます。麓の通りから10分ほどで、別世界のような地に来れるのが吉田山の魅力ですね。
さらに、上へ上へと進むと、やがて住宅もなくなり森の小径へと続きます。
住宅地が途切れ、森をしばらく歩くと、木立の間から立派な木造建築が見えてきます。
実は、先ほど通ってきた古い住宅地「吉田神楽岡旧谷川住宅群」を開発した大正時代の実業家・谷川茂次郎が、お茶会の際に使う建物のひとつとして建てたのが「茂庵」なのです。
都会で暮らしながら、自然の息づかいを楽しむ「市中の山居」という言葉がありますが、茂庵で体感できるのは、まさにそんな感覚。町から10分あまりで来ることのできる静かな空間、森の緑、窓から見渡せる京都市内のパノラマ風景、そしておいしいスイーツ。
至福のときを過ごしたら、吉田神社に向かいましょう。
茂庵から吉田神社の本宮へ向かう道筋はいくつがありますが、少し回り道をして「竹中稲荷社」へ向かいましょう。
この辺りは吉田神社の境内で、神楽岡という名の通り、数々のお宮が並びます。竹中稲荷社はそのひとつ、商売繁盛の神様を祀ります。緑鮮やかな参道には、朱色の鳥居がずらり。江戸時代には昼夜を問わず賑わい、雨の日でも傘が要らないほど鳥居が立ち並んでいたとか。
すぐ横には日本全国の神々を祀る「大元宮」、山を下っていくと料理の神様「山蔭神社」、お菓子の神様「菓祖神社」が点在しています。
やがて、背の高い杉の木と鳥居が見えてきたら、そこが吉田神社の本宮です。神社の歴史は古く、平安京の守護神として創建されました。今では、約800もの露店が並ぶ2月の節分祭で賑わいますが、落ち着いた初夏の境内も魅力があります。
吉田神社の一の鳥居から徒歩で2~3分のところに、庭園好きなら見逃せないスポットがあります。東福寺の本坊庭園をはじめ、日本庭園に斬新な作風を取り入れた重森三玲の旧宅「重森三玲庭園美術館」です。
作庭家が自身の自宅に作った庭というだけでも興味深いのですが、館長の重森三明さんによる様々なエピソードを交えた説明も聞きどころが多数。質問にも分かりやすく答えてくださいます。
書院と庭園、茶室が公開されており、訪れる時期によって見学できる範囲などが異なるので事前にホームページなどで確認してくださいね。
京都大学の正門を入ってすぐにそびえるのはクスノキ。春になると、一斉に葉を落とすと同時に若葉が芽吹き、ライトグリーンが時計台のクラシカルな建築に映えます。
大正時代に誕生した時計台は建物内にも入ることができ、フレンチレストランや、京大グッズが販売されているショップも利用できます。さらに散策マップも準備されているので、それを参考にめぐれば、京大の「自由の学風」を肌で感じとれるかもしれませんね。
キャンパス内は一般に公開されている施設のみが見学可能です。事前に、散策マップやホームページから確認しておくとスムーズに見学できます。
神楽岡通から新緑の吉田山を経て京都大学へのコースは、歩くだけなら約1時間のプチトリップ。カフェでひと休みしたり、庭園美術館で館長さんの話をじっくり聞いたり、京大のキャンパスをめぐったりと、アレンジをすれば1dayコースにもなります。
青もみじのきれいな初夏に、ぜひ吉田山の自然を満喫してくださいね。

あわせて読みたい

キーワードからさがす

gooIDで新規登録・ログイン

ログインして問題を解くと自然保護ポイントが
たまって環境に貢献できます。

掲載情報の著作権は提供元企業等に帰属します。
Copyright (c) 1996- 2025 Shobunsha Publications All Rights Reserved.