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「グリーン・バリューチェーン」 詳細解説

読み:
ぐりーん・ばりゅーちぇーん
英名:
Green Value Chain

製品が企業から消費者の手に渡るまでの、調達、生産、流通、販売、アフターサービスなど一連の流れのことを「サプライチェーン」という。サプライチェーンにおいては、それぞれの過程で付加価値が加えられていく。このため、企業は単なる商品の提供ではなく、消費者に「価値」(バリュー)を提供しているととらえることができる。このような、価値を生み出す企業活動全体を「バリューチェーン」と呼ぶ。このバリューチェーンの考え方を、温室効果ガス(GHG)の排出削減に生かしていく取り組みが「グリーン・バリューチェーン」だ。

サプライチェーンの段階ごとにGHG排出量を算定・把握することにより、企業がサプライチェーン全体で効率的な削減対策を実施することが可能になる。それとともに、透明性を高めながら競争力強化を図ることが期待される。GHG排出量の算定・報告対象となる範囲(スコープ)のうち、企業のバリューチェーンから排出されるものを「スコープ3」という。なお、「スコープ1」は燃料や電力などの使用に伴う自社の排出量を、「スコープ2」は購入したエネルギーの製造時における排出を指す。

米国の環境NGO「世界資源研究所」(WRI)などがつくる「GHGプロトコルイニシアチブ」は、2011年にバリューチェーン全体のGHG排出量算定・報告に関する国際的なガイドラインとして、「スコープ3基準」を公表した。日本でも、2012年に環境・経済産業の両省が「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定に関する基本ガイドライン」をまとめている。

これらの基準や指針の策定を受けて、多くの企業がグリーン・バリューチェーンの実現に向けた取り組みに力を入れている。化学品や飲料メーカーなどは、LCAの一環としてバリューチェーン全体での環境負荷を「見える化」し、社会や環境への影響が大きい事業の範囲を特定し、対策に生かしている。また、建設会社などは、資材の調達や建設廃棄物の削減などに注力している。このほかにも、情報・通信、各種製造業、小売業などさまざまな事業者が、カーボンフットプリントなどの手法を活用してグリーン・バリューチェーンの構築に取り組んでいる。

環境省は、サプライチェーン排出量に関する情報プラットフォームとして、「グリーン・バリューチェーンプラットフォーム」のサイトを開設し、運用している。

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