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「薪ストーブ」 詳細解説

読み:
まきすとーぶ
英名:
Firewood Stove

室内用の暖房器具であるストーブ用の燃料としては、石油やガスのほかに電気が用いられることが多かった。しかし近年、燃料として薪(まき)や、おが屑や樹皮などを圧縮成型した固形燃料の「ペレット」などの再生可能な木質資源を燃料とする木質バイオマスストーブが脚光を浴びている。木に由来するバイオマスである木質バイオマスは、燃やして二酸化炭素(CO2)が発生しても大気中のCO2の増減に影響を与えないカーボン・ニュートラルである点が最大の長所だ。

また、石油や石炭などの化石燃料と違い、里地里山から燃料となる薪やペレットを調達することができる地産地消のエネルギー源でもある。代表的な木質バイオマスストーブとして、薪ストーブやペレットストーブなどがある。環境省がまとめた「木質バイオマスストーブ環境ガイドブック」によると、薪ストーブは、薪を燃料とするストーブのうち火室を密閉する扉をもつもので、暖炉は含まれない。一般住宅向けの薪ストーブには、暖房方式の違いにより、輻射式や対流式などの種類がある。

輻射式は、薪を燃やした熱でストーブ本体を暖め、本体表面に接する空気を暖める方式だ。火を起こしてから部屋が暖まるまでにかかる時間は短いが、本体温度が熱くなる。対流式は、ストーブ本体を二重構造にして、間にある空気を暖めて対流させることで部屋全体を暖める方式で、本体外壁が熱くなりにくい。林野庁の「消費者の部屋」には輻射式の薪ストーブが設置されており、毎年12月に火入れ式が行われる。

一方、ペレットストーブは、木質のペレットを燃料とするストーブのうち、電気でファンを回して空気を送る機構をもつものを指す。ペレットは圧縮成型されているので、完全燃焼させるには大量の空気が必要になるためだ。薪やペレットを直接燃焼する木質バイオマスストーブからは、排ガスや水蒸気が発生するが、大気汚染防止法の規制がかからない小規模の設備がほとんどだ。ストーブ自体にも触媒を用いるなどして排ガスを無害化する機能が備わっているが、最終的には煙突により室外へ排出しなくてはならない。

排ガスの量を少なくし、有害物質を排出しないようにするには、化学処理のされていない無垢の木材を使う必要がある。また、十分に乾燥した含水率の低い燃料を用いるようにする。ストーブや煙突をこまめに掃除したり、メンテナンスしたりすることも大事だ。2011年3月に起きた東京電力福島第一原子力発電所事故により放出された大量の放射性物質が、薪やペレットにする木に付着している可能性がある。このため、林野庁は、木質ペレットに関する指標値を設定している。また、環境省は、薪ストーブなどの使用時に発生する灰の取り扱いに関する通知を発出した。

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