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「三陸復興国立公園」 詳細解説

読み:
さんりくふっこうこくりつこうえん
英名:
Sanriku Fukko (Reconstruction) National Park

環境省は2012年5月に、「三陸復興国立公園の創設を核としたグリーン復興のビジョン」(グリーン復興ビジョン)をまとめた。その柱となるのが、旧陸中海岸国立公園に青森県の種差海岸階上岳県立自然公園などを編入する、三陸復興国立公園の指定だ。旧陸中海岸国立公園は岩手県と宮城県にまたがる国立公園で、1955年に指定された。東北地方の太平洋側約180kmにかけて断崖が続き、ウミネコやオオミズナギドリなど海鳥の繁殖地としても知られる絶景の地だ。

三陸復興国立公園は2013年5月に、旧陸中海岸国立公園の地域に、青森県の種差海岸階上岳県立自然公園の区域が編入されて誕生した。また、同公園に隣接する八戸シーガルビューホテル、鮫角灯台、種差噴水公園をはじめとする周辺地域もあわせて編入された。変更後の面積は陸域が1万4635ha、海域が4万1300haとなる。新公園は、岩手・青森・宮城の3県に広がる北上山地が太平洋に接し、日本最大級の海食崖とリアス海岸が続く他に類を見ない自然海岸だ。

主な景観要素として、海食崖とリアス海岸のほかに、砂浜海岸、マツ林、海岸植生、化石、海鳥の繁殖地、津波の痕跡などがある。自然海岸の風致景観の保全を図りつつ適正な利用を進めるため、保護規制計画と利用施設計画から成る公園計画を定める。保護規制計画については、新たに編入する2区域は第2種特別地域とし、旧陸中海岸国立公園の地種区分は変更しない。また、旧種差海岸階上岳県立自然公園の区域も地種区分を踏襲する。

利用施設計画については、種差芝生地周辺に「種差海岸集団施設地区」を計画する。また、単独施設として、青森県八戸市に園地や宿舎を、同県階上町に園地と野営場を整備する計画だ。さらに、漁業体験などの農林水産業を生かした利用方法や、自然体験などのプログラムも用意される。

新公園の誕生に合わせて、東北地方太平洋沿岸地域に「みちのく潮風トレイル」の整備が進められている。青森県八戸市蕪島から福島県相馬市松川浦までの全長約700kmにわたる自然歩道だ。環境省は今後、新公園を自然と共生してきた地域の生活文化を活用する場として育てていく。また、災害など自然の脅威を学ぶなど、人間と自然の関係を再認識する場としても整備する方針だ。

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