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「国際森林年」 詳細解説

読み:
こくさいしんりんねん
英名:
International Year of Forests

森林は、人間を含めたあらゆる動植物に対して環境や防災などさまざまな面で恩恵を与えてくれている。森林には多様な生態系があり、光合成によって地球温暖化の原因である二酸化炭素(CO2)を酸素に変える。また、木々の根は山崩れなどの災害を防止する。しかし、開発途上国をはじめとする世界各地で森林の面積が減少・劣化している。主な原因は、過剰な伐採や農地化、森林火災、林業にかかわる人材不足などだ。森林の減少や劣化に歯止めをかけるには、森林を守り育てる「持続可能な森林経営」に向けた取り組みを世界全体で行う必要がある。

このため、1992年の地球サミットで「森林の保全と持続可能な経営」の重要性をうたった「森林原則声明」が採択された。その後、1995年に「森林政府間パネル(IPF)」が設置され、2001年にはその後を受けた国連森林フォーラム(UNFF)ができた。そして、世界中の市民による森林への理解と参加を深めるため、国際連合は2006年12月の総会で、2011年を国際森林年にすることを正式に決定し、UNFFがその実施主体となった。

国際森林年は、2011年1〜2月に米国の国連本部で開催されたUNFFの第9回会合で公式に立ち上げられた。同会合では、世界の持続可能な森林経営に関する取り組みの評価も行われた。また、同年9月に開かれる第66回国連総会では、森林に関する意識向上を図る特別ハイレベル・イベントが実施される予定だ。国際森林年にあたり、世界中で植樹や森林祭、会議、写真展、スポーツなどの関連行事が行われている。また、国連は各国に対して国内委員会の設置を求め、日本でも有識者などから成る国内委員会が設置された。

国内では、林野庁が「国際森林年及び持続可能な森林経営に対する認知度を20%増加させる」という政策目標を掲げ、「国際森林年名誉大使」の選出や、個人やNPO、企業から成る「フォレスト・サポーターズ」の参加を促す仕組みづくりなどを進めている。なお、過去にも国連食糧農業機関(FAO)の理事会で1985年を国際森林年として宣言する決議が行われたことがあり、日本でも関連行事が実施されたことがある。

国際森林年のロゴマークはさまざまな動植物を木にかたどったデザインで、「人々のための森林」というテーマを伝えている。森林の持続可能な経営と保全において人間が中心的な役割を果たすべきことや、森林の多面的機能が人類の生存に欠かせないものであることを表している。

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