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「ガラパゴス諸島」 詳細解説

読み:
がらぱごすしょとう
英名:
Galapagos

ガラパゴス諸島は、南米・エクアドル共和国の西約1000kmの太平洋上に点在する、同国領の火山群島だ。イサベラ島やサンタクルス島など13の島々と、100を超える小さな島からなる。約500万年前の火山活動に伴う溶岩流によって形成されたと考えられ、噴火の時期やタイミング、溶岩が冷える速度の違いなどによって、島ごとに異なる景観や生態系が育まれてきた点が大きな特長だ。また、北上するペルー海流の影響により、赤道直下にあるにもかかわらず気温や水温はそれほど高くなく、年間の平均気温は24度以下で沖縄並みだ。

同諸島は、1535年にスペイン人の司教トマス・デ・ベルランガにより発見された。エクアドルが1832年に入植を開始した後、チャールズ・ダーウィンが1835年に「ビーグル号」でこの地を訪れ、自然選択説に基づく「進化論」を書いた。それ以来、固有の動植物が多く生息する「生物種の宝庫」として世界中で知られるようになった。ちなみにガラパゴスという名前はスペイン語でリクガメを意味する言葉で、同諸島にたくさん生息していたゾウガメにちなんで付けられたものだ。

特長は、何といってもこの地でしか見られない独特な生物たちだ。なかでも有名なガラパゴスゾウガメはドーム型などをした甲羅をもつ巨大なリクガメで、かつては15種いたといわれているが、現在では4種が絶滅して11種が生き残っている。爬虫類ではほかにも2種類のイグアナがいる。また、鳥類にはフィンチやカツオドリ、ペンギンなどさまざまな種類がいる。このほかに昆虫やクモなどさまざまな種が生息している。また、植物ではサボテンなどで固有種がみられる。一方で両生類はおらず、哺乳類もガラパゴスオットセイとガラパゴスアシカが生息するのみだ。

大陸と一度もつながっていなかった海洋諸島がこのような独自の生態系をもつようになった理由としては、南米大陸から気流や海流などに乗って渡ってきたこれらの種の祖先たちが、戻ることができずに進化したという説が有力だ。同諸島の生態系を守るため、エクアドルは1968年に総面積の97.5%に及ぶ地域を国立公園に指定。1986年には周辺海域を海洋保護区に指定した。また、これに先立つ1978年、国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)は同諸島を世界遺産に指定し、2001年には海洋保護区も世界遺産となった。

同諸島では急速な人口の増加や観光地化が進み、自然環境が破壊され貴重な生物種の多くが絶滅の危機にさらされている。外来種の移入や気候変動などもこの傾向に拍車をかけている。エクアドルは保護のため「ガラパゴス特別法」を1998年に制定したが、危機的な状況を脱するにはいたらなかった。このため、ユネスコは2007年に、同諸島を「危機にさらされている世界遺産(危機遺産)」のリストに登録したが、その後の対策が効果を上げているという理由から、現在はリストから削除されている。

一方、同諸島の持続可能な発展を目指す取り組みが、さまざまな主体によって行われている。日本政府は2010年、エクアドルに対して同諸島での太陽光を活用したクリーンエネルギー導入計画に関する無償資金協力を開始し、CDM事業として風力発電の活用が行われている。

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