A: 南米・エクアドルの西約1000kmの太平洋上にあり、大小120以上の島々からなるガラパゴス諸島は、「進化の島」や「生物種の宝庫」などと呼ばれている。その理由は、ガラパゴスゾウガメやダーウィンフィンチの仲間、イグアナ、サボテンなどさまざまな固有の動植物種が生息し、これらの多くが独自の進化を遂げてきたためだ。現在の研究によると、こうした固有種は南米大陸から気流や海流などに乗って同諸島へ渡ってきて、戻ることができずに進化したといわれている。ガラパゴス諸島と同じく一度も大陸と地続きになったことがない小笠原諸島も、独自の自然環境や生物進化がみられることから「日本のガラパゴス」と呼ばれることがある。
A: ガラパゴス諸島には、独自の自然環境のもとで進化を遂げた固有種が多く生息している。しかし、同諸島で長年自然保護活動を行っているチャールズ・ダーウィン研究所などの報告によると、ガラパゴスペンギンを含む多くの種が絶滅の危機にひんしている。同研究所が国際環境NGOのコンサベーション・インターナショナルなどの研究者たちと共同で調査した結果、「ほぼ絶滅」と「絶滅の可能性がある」ものは9種だ。絶滅危惧種にあたるものも36種に及ぶ。なかでもサンゴ礁やケルプなどの衰退・劣化が著しく、ある種のスズメダイはすでに絶滅したとみられている。