電気や熱などに変える際、二酸化炭素(CO2)や窒素酸化物(NOx)などの有害物質を排出しない、または排出量の少ないエネルギー源のこと。自然エネルギーや再生可能エネルギーとも呼ばれる。太陽光、水力、風力、地熱のほか、燃料電池、コージェネレーション、天然ガスなども含まれる。その導入については、EU(欧州連合)をはじめ欧米諸国が政策面で熱心に取り組み、日本では、1960年代の高度経済成長期以降、大気汚染などの公害による人の健康や自然環境への影響が社会問題となったことへの反省から、開発や導入が進んだ。
一方、何をもってクリーンなエネルギーとするかについては明確に定義されておらず、言葉のイメージが先行しているともいえる。たとえば、水素ガスは燃焼時に有害物質をほとんど出さないが、水素をつくるには多くのエネルギーが必要で、その過程で有害物質が排出される場合もある。また、原子力発電はCO2を排出しないが、ひとたび事故が起きた時の被害は深刻で、放射性廃棄物の処理も難題だ。このため、クリーンエネルギーについては、エネルギーをつくり出す過程も含めて、データをもとにLCA的な観点から評価する必要がある。
2014年4月に閣議決定されたエネルギー基本計画は、クリーンエネルギーの導入に関して、太陽光、風力、地熱、水力、バイオマスなどエネルギーごとの取り組みを強化し、一次エネルギーにおける再エネの割合を増やす方針を掲げている。