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「ハクチョウ」 詳細解説

読み:
はくちょう
英名:
Swan

ハクチョウ(白鳥)は、カモ科ハクチョウ属の鳥の総称だ。体重10kg前後と大型で、純白の羽毛をもつ種類が多く、オオハクチョウでは全長1.5m、翼を広げると2.5m近くになるものもいる。また、オーストラリアに住むコクチョウのように羽毛の黒い種類もいる。アマモやマコモなどの水草を主食とし、家族単位や群れで行動する。寿命は20〜30年。日本には、オオハクチョウとコハクチョウがシベリア北部や南サハリンなどのユーラシア大陸から飛んでくる。オオハクチョウは同大陸の北部で繁殖し、冬になると北海道や本州へ渡ってくる。青森県の小湊は、オオハクチョウの渡来地として国の特別天然記念物に指定されている。

一方、コハクチョウは全長1.2m、翼長2m程のやや小型のハクチョウで、オオハクチョウとは鳴き声が少し違い、より南の地域まで渡る。福島県の猪苗代湖はコハクチョウの数が多く、国の天然記念物に指定されている。また、北海道の浜頓別町にあるクッチャロ湖は、北シベリアと日本を往復するコハクチョウの約7割が立ち寄ることで知られており、ラムサール条約の登録湿地に指定されている。同じ仲間のアメリカコハクチョウも日本で見かけられることがある。なお、オオハクチョウよりも体の大きなコブハクチョウはユーラシア大陸原産だが、動物園や公園で飼われていたものが逃げ出して野生化し、日本各地に住みついた。くちばしの根元に黒いこぶのような突起があるためこの名が付けられた。

環境省では、全国の都道府県の協力を得て「全国ガンカモ一斉調査」を実施している。40回目となる2008年度調査の暫定値によると、全国約610地点で約7万4000羽のハクチョウ類が観察された。この数を前年度と比べると、約7%(約5000羽)減った。このうち、オオハクチョウは約13%減少している。また、観察数が多いのは北海道、東北6県、新潟県などで、これらの地域だけで全国の約9割に当たる約6万6000羽が観察されている。なかでも新潟、宮城、山形の各県における観察数は1万羽を超える。

ハクチョウは、その美しい姿から日本人に愛され、歌人など多くの文学者がハクチョウをモチーフとした作品を生みだしてきた。一夫一婦制で家族のきずなが強い点も好まれる理由かもしれない。渡来したハクチョウが水面でたたずんだり、空を飛んだりする姿は冬の風物詩となっている。ハクチョウの保護を約60年間も続けている新潟県の阿賀野市のように、保護や餌づけに力を入れる地方自治体や市民グループは多い。

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