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「オリンピック」 詳細解説

読み:
おりんぴっく
英名:
Olympic

オリンピック(五輪)は、1896年から4年に1回開催されているスポーツの国際的な競技大会だ。当時、古代文明に関する発掘や研究が進んだことなどもあり、古代ギリシャの協議会であるオリンピックの名を冠したイベントが欧州各地で行われた。スポーツによる教育改革を唱えていたフランスのクーベルタン男爵がこの動きに注目し、1894年のパリ万国博覧会で行われたスポーツ競技に関する会合でオリンピック復興を提案した。その後、国際オリンピック委員会(IOC)が設立され、1896年にギリシャのアテネで第1回五輪が開催された。近代オリンピックの始まりだ。シンボルとなっている「五輪」の旗はクーベルタン男爵が考案したもので、5つの輪は5大陸の結合を表している。

五輪において環境や持続可能性が重視されるようになったのは、1992年のバルセロナ五輪において地球環境の保護を公約してからだ。かつて五輪の開催地で自然破壊が起きたことや、大量のごみが発生したことなどへの反省もあったといわれる。その後、夏季・冬季の両大会で環境への取り組みが活発になり、開催地周辺における公共交通機関の活用や、ごみの削減とリサイクルの推進、緑化の促進などが行われた。とくに2000年のシドニー五輪では、環境に優しい「グリーンオリンピック」をスローガンに、競技場へのソーラーパネルの設置、ごみ分別の徹底、植林プログラム、会場周辺の土壌浄化など積極的な活動が展開された。アテネや北京でも同様の取り組みが行われた。

2012年のロンドン五輪は、環境NGOの協力を得て、五輪史上もっとも持続可能性に優れた大会を目指した。競技場建設地の土壌改善、気候変動への対応、廃棄物の発生抑制、生物多様性の保全などに取り組んだ。会場となる競技場の一部に自然換気方式が採用され、リサイクル素材が多く使用された。また、周辺では約30万坪の公園が建設された。2016年の第31回夏季五輪は、国連環境開発会議(地球サミット)やリオ+20が開かれたブラジルのリオデジャネイロで行われる。

2013年9月、2020年の第32回夏季五輪の開催地が東京に決まった。1964年以来56年ぶりの開催となるだけに、東京だけでなく日本全国が祝賀ムードに包まれた。東京五輪は、環境への配慮についても世界最高水準を目指す。東京都は開催に向けて環境ガイドラインを作成し、「世界初のカーボンマイナスオリンピック」の実現を約束した。環境負荷の最小化、自然と共生する都市環境計画、スポーツを通じた持続可能な社会づくりの3つを柱としてあげている。また、厳しいグリーンビル基準やガイドラインに従い、競技会場の建設と改修を行う。ほかにも、環境負荷の少ない輸送、大気汚染及び騒音公害対策、3Rの徹底、再生可能エネルギーの積極的な導入・利用に取り組む。

一方、冬季五輪は1924年にフランスのシャモニー・モンブランで始まり、2010年のカナダ・バンクーバーで21回目を迎えた。2014年の第22回冬季大会はロシアのソチで開催される。

現在までの夏季五輪開催地は次のとおり(カッコ内は開催年、予定含む)。

19世紀:ギリシャ・アテネ(1896)、フランス・パリ(1900)
20世紀:アメリカ・セントルイス(1904)、イギリス・ロンドン(1908)、スウェーデン・ストックホルム(1912)、ドイツ・ベルリン(第1次世界大戦により中止、1916)、ベルギー・アントワープ(1920)、フランス・パリ(1924)、オランダ・アムステルダム(1928)、アメリカ・ロサンゼルス(1932)、ドイツ・ベルリン(1936)、日本・東京(辞退により中止、1940)、フィンランド・ヘルシンキ(第2次世界大戦により中止、1940)、イギリス・ロンドン(第2次世界大戦により中止、1944)、イギリス・ロンドン(1948)、フィンランド・ヘルシンキ(1952)、オーストラリア・メルボルン及びスウェーデン・ストックホルム(1956)、イタリア・ローマ(1960)、日本・東京(1964)、メキシコ・メキシコシティー(1968)、西ドイツ<当時>・ミュンヘン(1972)、カナダ・モントリオール(1976)、ソ連<当時>・モスクワ(1980)、アメリカ・ロサンゼルス(1984)、韓国・ソウル(1988)、スペイン・バルセロナ(1992)、アメリカ・アトランタ(1996)、オーストラリア・シドニー(2000)
21世紀:ギリシャ・アテネ(2004)、中国・北京(2008)、イギリス・ロンドン(2012)、ブラジル・リオデジャネイロ(2016)、日本・東京(2020)

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