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「重曹」 詳細解説

読み:
じゅうそう
英名:
Baking Soda

重曹は、人体や海洋、温泉の中など自然界に存在する物質で、常温では白い粉体だ。炭酸水素ナトリウム、重炭酸ソーダ、ベーキングソーダともいう。ナトリウムイオンと炭酸水素イオンの塩で、化学式はNaHCO3。天然鉱石から精製するほか、人工的に合成することも可能で、強アルカリ性である水酸化ナトリウム溶液に二酸化炭素(CO2)を反応させる方法や、ガラスの原料である炭酸ナトリウムの工業的製法であるソルベー法(アンモニアソーダ法)の中間生成物として得る方法がある。また、塩と石灰を原料としてつくられた重曹も販売されている。

人体や環境に悪影響を与えないため、日常生活において掃除や洗濯、料理、医薬品などさまざまな用途に用いられている。日常生活での汚れは、脂など酸性の汚れと、水アカなどアルカリ性の汚れに分けることができる。アルカリ性の重曹は、酸性の脂などの汚れを中和することで汚れを洗い流しやすくする。使い方は、重曹の粉末を容器に入れてふりかけたり、水に溶かして重曹水にしたり、水で練って磨いたりとさまざまな方法がある。たとえば、ガスレンジ周りの油汚れに重曹をふりかけて馴染ませてから拭き取ると汚れがきれいにとれる。焦げついた鍋は、水と重曹を入れて沸騰させ、火を止めて数時間放置しておくと焦げが浮き上がってくる。

柔らかな分子の重曹は水で練ってペースト状にして磨くことで、おだやかな研磨作用により素材の表面を傷つけずに汚れだけを除去し、研磨剤の代わりになる。台所、浴室、電子レンジ、台所用品など、幅広い用途に使用できる。さらに、その安全性を活かして、食物の洗浄や、歯磨き粉、シャンプー、入浴剤などに利用される場合もある。アメリカの自由の女神の洗浄も、重曹を用いた方法で行われた。また、気体や液体を吸着するはたらきがあり、生ゴミなど悪臭の発生源にかけると脱臭効果があるほか、排水口に入れてお湯を流すと臭いを取ることができる。ただし、アルミニウム製の食器やコーティングされていない鉄製の調理器具、調理用品、宝飾品などには使えない。

弱アルカリ性である重曹はその化学構造から、酸とアルカリのバランスを安定させてpH8.1付近を保つように作用する中和剤としての働きをもつ。この性質を利用して、プールの塩素濃度の調節に用いたり、硬水をやわらかくしたりする利用法もある。また、酸との中和反応、湿った空気中や高温下での分解によりCO2と水を放出するため、食品添加物としてパン生地などの発酵や、消火剤として利用されているほか、消臭効果を利用した脱臭剤、胃酸過多に対する医薬品などの用途にも用いられている。

重曹以外の人体や環境に安全な洗浄剤として、食酢、レモン汁、クエン酸などがある。

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