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「要措置区域」 詳細解説

読み:
ようそちくいき
英名:
Area required measures

要措置区域とは、土壌汚染の摂取経路があり、健康被害が生じるおそれがあるため汚染除去などの措置が必要な区域のことだ。土壌汚染による環境と人の健康への影響を未然に防ぎ、土地の汚染状況を把握するため、国は土壌汚染対策法を制定してさまざまな対策を講じてきた。しかし、汚染土壌が適正に処理されずに汚染された土地から運搬されるなどして、環境汚染が拡大する事例が増加していることが明らかになった。こうした事態に対応するため国は同法を2009年4月に改正し、1) 要措置区域の指定など規制対象区域の分類による措置内容の明確化、2) 土壌汚染状況を把握する制度の拡充、3) 汚染土壌処理業の許可制度の創設―などを行った。

改正法には、土壌の汚染状態が基準に適合しない土地を都道府県知事が要措置区域などに指定して、土地所有者・管理者・占有者などに汚染除去の措置を実施するよう指示する規定が盛り込まれた。次の3つの場合には、特定有害物質による土壌汚染の状況調査(土壌汚染状況調査)を行う必要がある。1) 有害物質を製造・使用・処理する施設の使用が廃止された時、2) 3000平方m以上の土地の形質変更(再開発など)の際に土壌汚染のおそれがあると知事が認める時、3) 土壌汚染によって健康被害が生じるおそれがあると知事が認める時。土壌汚染状況調査は、同法に基づく指定調査機関が実施する。

土壌汚染状況調査の結果、汚染状態に関する基準に適合していれば規制の対象外となる。しかし、不適合の場合は健康被害が生ずるおそれに関する基準への該当性が判断され、該当する場合は要措置区域に、該当しない場合は形質変更時要届出区域に指定される。土地所有者などが自主的に行った調査により土壌汚染が判明し、知事に区域指定を申請した場合も同じように該当性が判断される。その結果、要措置区域に指定された土地は知事が指示措置とともに公示を行い、要措置区域台帳に記載して公衆への閲覧に供される。

要措置区域の管理者は、知事の指示措置を決められた期限までに実施しなくてはならず、実施しない場合は措置命令の対象となる。また、要措置区域内では、土地の形質変更が原則として禁止される。ただし、次の場合は例外となる。1) 同法の規定に基づき知事から指示を受けた者が指示措置として行う行為、2) 環境省令で定める通常の管理行為や軽易な行為、3) 非常災害時に応急措置として行う行為。

要措置区域内の土地から土壌を区域外へ搬出しようとする者は、着手日の14日前までに知事に届け出る必要がある。また、汚染土壌の処理は汚染土壌処理業の許可業者に委託しなければならず、汚染土壌マニフェスト(管理票)の交付義務もある。さらに、要措置区域外で汚染土壌を運搬する者はガイドラインを遵守しなくてはならない。汚染除去の措置が行われて指定事由がなくなった場合には、知事は要措置区域の全部または一部について指定の解除を行い、公示する。

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