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「エコタイヤ」 詳細解説

読み:
えこたいや
英名:
Eco Tire

自動車など運輸部門におけるエネルギー消費量は、21世紀に入ってやや減りつつあるものの、全体の約2割を占めている。自動車の燃費を改善するために、自動車メーカーはエンジン性能の向上や車体の軽量化などに取り組んでいる。その一環として注目されているのが、低燃費タイヤ、いわゆる「エコタイヤ」の導入だ。エコタイヤの省エネ性能は、国際エネルギー機関(IEA)も確認しており、とくにタイヤの転がり抵抗低減と空気圧管理は、省エネ対策として国際的に認識されている。

こうした動向を受けて、国内外のタイヤメーカーがエコタイヤを販売している。なお、かつてはリサイクル材を用いるなど何らかの形で環境に貢献するタイヤをこう総称していたが、現在は、主に低燃費タイヤをエコタイヤと呼ぶようになっている。エコタイヤ最大の特長は、安全性に配慮しつつ、転がり抵抗を低くしている点だ。転がり抵抗は、自動車が走行する際に地面を転がるタイヤが受ける抵抗のことをいう。転がり抵抗はタイヤの空気圧と深く関係しており、空気圧が不足するとタイヤが変形して転がり抵抗が増し、燃費が悪くなる。

エコタイヤはこの点に着目して、転がり抵抗を低くして同じ燃料で長い距離を走ることを目指して開発された。低燃費になれば、使用するガソリンや軽油の量を減らすことができ、二酸化炭素(CO2)の発生も抑えることができる。半面、転がり抵抗の低減ばかりを追い求めると、進む、止まる、曲がるといった自動車の基本的な安全性能に支障をきたすおそれがある。このため、国土交通省は、2008年に「低燃費タイヤ等普及促進協議会」を設置し、転がり抵抗の測定方法の規格化などに関する検討を開始。翌年、「低燃費タイヤ等に関する普及促進のあり方について」を公表した。

これを受けて、日本自動車タイヤ協会が2010年に、エコタイヤについてのラベリング(表示)制度を開始した。同協会のガイドラインにのっとり、転がり抵抗係数や、路面が濡れた状態でのタイヤのグリップ力を示す「ウェットグリップ性能」などについて試験を行い、要件を満たしたもののみ「エコタイヤ」と表示できる。タイヤメーカー各社は、ウェットグリップ性能を失うことなく転がり抵抗を減らしたエコタイヤを開発し、市場へ投入している。

2014年には、国交省が2013年度補正予算により、全日本トラック協会を通じてエコタイヤの導入に対する補助事業を実施した。保有車両5両以上30両以下の一般貨物自動車運送事業者などによる、エコタイヤの導入に対して補助を行う。

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