A: 電気や都市ガスなど、用途に合わせて使いやすく加工されたエネルギーが二次エネルギーだ。自然界にあるそのままの状態で得られる一次エネルギーと区別してこう呼ばれる。人類究極のエネルギーともいわれる水素エネルギーは、分類上は二次エネルギーになる。その理由は、元素としての水素は地球上のどこにでもあるが、水素エネルギーとしては存在しておらず、自然界からそのままの形で取り出すことができず、人間が他の一次エネルギーからつくり出すしかないからだ。たとえば燃料電池車(FCV)は、一次エネルギーである天然ガスなどを改質して得た水素を燃料として走る。
A: 二次エネルギーの中でもわが国で注目されているのが熱供給事業だ。熱供給事業は、単独またはいくつかのプラントから複数の建物へ配管を通して冷水や蒸気(温水)を送って冷暖房などを行う方式で、地域冷暖房とも呼ばれる。国内で熱供給事業法に基づく許可を受けた地点は、2012年度末で141区域(81事業者)に上る。用途では冷熱需要が6割近くを占め、温熱、給湯・直接蒸気などがこれに続く。また、熱供給事業に使用する燃料では都市ガスが7割を占める。さらに、海水や河川水、下水、清掃工場排熱などの未利用エネルギーを用いたり、コージェネレーションシステムや蓄熱槽などを導入したりしているところも多い。