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「海洋温度差発電」 詳細解説

読み:
かいようおんどさはつでん
英名:
OTEC:Ocean Thermal Energy Conversion

火力発電などは熱で水を沸騰させ、蒸気でタービンを回して発電するが、海洋温度差発電では、アンモニアと水の混合液を沸騰させ、蒸気を得る。水の100℃に比べてアンモニアと水の混合液は沸点が33℃と低く、容易に沸騰させることができる。アンモニア水はその後、海洋深層水で冷却されてまた液体に戻る。これを繰り返すことによって、海水の温度差を利用した発電が可能になる。自然条件的には北緯40度〜南緯40度の範囲の海域で海洋温度差発電が可能という調査もあり、二酸化炭素排出量が極めて少ない発電方式として注目されるようになった。

海洋温度差発電の原理そのものは19世紀にすでにフランスで考案されているが、1970年代前半から研究を始めた佐賀大学の上原春男教授のチームが、海水の熱を効率良くアンモニアに伝えるための装置などを考案し、「ウエハラ・サイクル」と呼ばれるシステムを開発。実用化への道を開いた。インド政府は佐賀大学の協力を得て、このシステムで1MWの発電を行う実証プラントを建設、その後は5万KWのプラントを1000基建設する準備を進めている。

インド以外にも、パラオ、フィリピン、スリランカ、ジャマイカなど50カ国以上の国が、海洋温度差発電の導入を検討している。

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