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「杉並病」 とは

読み:
すぎなみびょう

 1996年4月、東京都杉並区の井草に都が設置した不燃ごみ中継所の周辺で、中継所が操業を開始した頃から、住民がせきや手足のだるさ、関節痛など、化学物質過敏症に似た健康被害を訴えた。都は、水銀を多く含む排水の処理施設や排気口に活性炭フィルターなどを設置して対策をとったが、住民側は、健康不良の原因が中継所から大気中に排出される化学物質にあるとして、同年9月に周辺住民から東京都公害審査会に対し、「安全性が確認されるまで中継所の運転の一時中止」を求める公害調停の申請が行われた。一般に、化学物質の人体影響を立証するには、原因となる化学物質の特定が求められることが多い。住民と都との間で因果関係をめぐって主張が対立したため、住民側は1997年5月に公害等調整委員会に対し、因果関係の有無を判断するための原因裁定の申請を行った。公害等調整委員会は、裁定委員会を設けて20回の審問期日を開催。また、健康被害と杉並不燃ごみ中継施設の排気や周辺の大気成分との因果関係を判断するため、専門委員を選任するなどした。その結果、2002年6月、18名中14人について、健康被害の原因は杉並中継所にあるとする裁定が行われ、都が損害賠償を行うことが決まった。

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