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「酸化エチレン」 とは

読み:
さんかえちれん

 「エチレンオキサイド」「オキシラン」などとも呼ばれる有機化合物の1種で、化学式はC2H4O。無色透明の気体で、特有のエーテル臭があり、揮発性、引火性が非常に高く、空気より重い。有機合成の原料、界面活性剤として主に利用されるが、病院などでの滅菌や殺菌にも使用される。人体への影響として、発がん性が指摘されているほか、短時間に多量に吸入した場合、頭痛、嘔吐などの急性毒性、皮膚炎を引き起こすとされている。大気汚染防止法では、「低濃度であっても長期的な摂取により健康影響が生ずるおそれのある物質」を有害大気汚染物質として定義している。具体的な物質名は明示されていないが、1996年の中央環境審議会答申では、「有害大気汚染物質に該当する可能性のある物質」として234物質が示されており、酸化エチレンは、このうち健康リスクがある程度高いと考えられる22の「優先取組物質」の1つとして指定されている。有害性のある多種多様な化学物質の発生や排出に関する仕組みであるPRTR(化学物質排出移動量届出制度)を促進するPRTR法では、特定第一種指定化学物質(人の健康を損なうおそれ又は動植物の生息もしくは生育に支障を及ぼすおそれがあり、相当広範な地域の環境に継続して存すると認められる化学物質)の1つである。同法に基づく届出によると、2001年度の大気への排出量は約423tであった。このほか、PRTR法で届出義務の無い小規模事業所や病院などからの発生量は把握されていない。揮発性が高いため、大気中への拡散による悪影響が懸念されており、環境省は2003年度から酸化エチレン処理技術に関するモデル実証に取り組み始めた。

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