南米のエクアドルからペルー沿岸にかけての広い海域で、海水温が平年に比べて0.5度ほど下がる現象のこと。反対に海水温が上昇する「エルニーニョ現象」とともに、世界的な気候変動や異常気象をもたらすと考えられている。ラニーニャ現象は、エルニーニョ現象により東方へ追いやられた温水が西方に戻る時に発生し、その状態は1年程度続く。
ラニーニャ現象が起きると、日本では空梅雨、猛暑、渇水、寒冬になる傾向があり、1973年に発生した時は北陸や東北地方で大雪に見舞われた。また、夏から秋にかけて発生する台風の位置がずれるほか、台風の寿命が短くなるといわれている。(独法)海洋研究開発機構(JAMSTEC)などの研究により、太平洋におけるラニーニャ現象とエルニーニョ現象の発生は、インド洋で発生するダイポールモード現象の影響を強く受けていることがわかった。