サイト内
ウェブ

「ラブ・キャナル事件」 とは

読み:
らぶきゃなるじけん
英名:
Love Canal Incident

1979年に米国のニューヨーク州ナイアガラ・フォールズ市で起きた、廃棄物による環境汚染事件。「ラブ・キャナル」とは、建設が中止されて使用禁止になっていた同市の運河のこと。この運河を購入した地元の化学品メーカーが、1940年代から50年代にかけて酸や農薬などさまざまな化学物質を2万t以上投棄。運河は埋め立てられた後、同市にわずか1ドルで売却され、跡地には住宅や小学校が建設された。

その後、ラブ・キャナルの周辺で降雨のたびに汚水の流出や悪臭の発生がみられるようになり、流産したりガンにかかったりする住民が続出した。調査の結果、80種類を超える有害な化学物質が検出され、同州が政府の緊急財政支援を受けて土地の買い上げを行った。1980年にはカーター大統領(当時)が非常事態宣言を発令。同地から約900世帯の住民が移転し、汚染地の浄化対策が行われた。

ラブ・キャナル事件の原因となった有害な化学物質を含む廃棄物は、投棄された当時は適法な許可に基づき埋め立てられたものであり、企業の責任を問うことは難しかった。しかし、同じように過去に投棄された有害物質による土壌・地下水汚染が相次いで発覚したため、米国では1980年、直接関与したかどうかにかかわらず、過去の汚染についても企業の浄化責任を問うことができる「スーパーファンド法(包括的環境対処補償責任法)」が制定された。

キーワードからさがす

gooIDで新規登録・ログイン

ログインして問題を解くと自然保護ポイントが
たまって環境に貢献できます。