干潟や沼地の埋め立てなどの開発行為が、地域の生態系や自然環境に影響を及ぼすことが予想される時に、悪影響を軽くするために取られる補償・代替措置のこと。ミティゲーションには次のような段階がある。1) 開発をしないことにより影響を避ける「回避」、2) 開発の規模や程度を制限する「最小化」、3) 影響を受ける環境の「修正・修復」、4) 開発中に保護やメンテナンスにより影響を減らす「軽減・除去」、5) 代わりとなる資源や環境を提供する「代償」。わが国では、開発の対象となる生態系がもつ機能を、他の場所で置き換える「代償」を指すことが多い。
一方、米国ではとくに湿地(wetland)を守る手法としてミティゲーションが盛んに利用されており、事業自体の見直しや規模の縮小が行われる場合もある。また、自然環境を復元・ストックして債権を売り出す「ミティゲーションバンキング」という考え方が定着しつつある。