計画から建設、運用、解体に至るライフサイクル全体を通じて、環境負荷の低減に配慮した官庁施設のこと。政府は、グリーン庁舎を建築分野における環境負荷低減の模範的な施設として位置づけている。その実現にあたっては、周辺環境への配慮、運用段階の省エネ・省資源、長寿命化、エコマテリアルの使用、適正使用・適正処理など5つの視点に立って計画指針を策定することが求められる。
国土交通省は、官庁施設における環境対策を計画的に進めるため、「官庁施設における環境負荷低減プログラム(営繕グリーンプログラム)」を毎年度作成している。その2011年度版には、地球温暖化防止や循環型社会の形成、自然環境及び生活環境の確保などに加えて、東日本大震災に伴う電力需給対策を進めるための方策が盛り込まれた。
2008年9月に竣工した東京・千代田区の霞が関コモンゲート・中央合同庁舎第7号館は、太陽光発電や周辺緑化など環境配慮技術を採用した最先端のグリーン庁舎だ。一方、大学などのグリーン化については、文部科学省と経済産業省が連携して先進的なエネルギーマネジメントシステムの実証と基盤技術の高度化に役立つ研究開発を進めている。