南信州広域公園の中にある「星の森オートキャンプ場」(長野県売木村)は、その名前のとおり、満天の星が見られるキャンプ場として人気を博してきた。2022年4月より運営団体が変わり、リニューアルオープン。進化を遂げてさらに利用しやすくなったキャンプ場の施設を、以前からの変更点も含めて紹介しよう。
■【ロケーション】標高1200メートルに位置する広大な公園内
「星の森オートキャンプ場」があるのは、長野県下伊那郡売木(うるぎ)村。キャンプ場は、東京ドームおよそ11個分という広さの「南信州広域公園」内に位置している。車を5分ほど走らせると「茶臼山高原」があり、観光と合わせて宿泊する人も多いという。標高は約1200メートルで、夏でも比較的過ごしやすいのが特徴。逆に冬はクローズとなるため、営業期間は毎年4月1日～11月30日となっている(雪解けの状況により変更の場合あり)。
キャンプ場へは、猿投グリーンロード・力石ICから北東へ、または中央自動車道・飯田山本IC、園原ICから南へ、三遠南信自動車道・鳳来峡ICから北へ、いずれも1時間ほど車を走らせると到着する。
■【キャンプサイト】整備されていてバラエティ豊か
キャンプサイトは「フリーサイト」「区画サイトA」「区画サイトB」「区画サイトE」「RVサイト」の5種類。リニューアル後は、予約したサイトエリアであれば、到着時に空いている区画を自由に選べるようになった。同じエリアでも、多少大きさやロケーションが異なるので、希望の区画があれば早めのチェックインがおすすめだ。どのキャンプサイトも1区画につきテント1張、タープ1張まで。例えばテントを2張したいなら、2区画分の予約が必要だ。
■フリーサイト
楕円形に芝生が広がり、開放感抜群の「フリーサイト」は、グループや家族でのキャンプにうってつけ。以前は「広場サイト」として杭で区画が分けられていたが、現在は撤去され、サイト内の好きな場所に設営できるようになった。
1予約分の定員は大人2人(中学生以下を除く)、料金は1泊3100円。デイキャンプ(10時～16時)での利用も可能で、その場合の料金は1500円だ。フリーサイト内には車の乗り入れができないが、専用駐車場がサイトの外周に隣接。また、荷物の運搬用に手押し車を無料で借りられる。
■区画サイトA
区画が生垣で分けられている「区画サイトA」は、プライベート感満載。サイト内にはタイルで指定された駐車スペースがあり、そこに車を1台停めることができる。そのうえでゆったりとキャンプが楽しめる広さも確保されている。地面は芝生が中心で、広さは4メートル×10メートル、7メートル×8メートル、10メートル×9メートルなどまちまち。全31サイトあり、遊具が近い場所はファミリー客に人気だ。1サイトにつき2口、AC電源(1500ワット)が付いている。1サイトの定員は大人4人(中学生以下を除く)、料金は1泊5200円。
■区画サイトB
「区画サイトB」も、ほとんどの区画が生垣や木で分けられている。サイト内に車1台の乗り入れがOK。1サイトにつき2口、AC電源(1500ワット)が付いている。「区画サイトB」は、どの区画も背後に別のサイトがないことと、ペットの同伴が可能な点が特徴だ。1サイトの定員は大人4人(中学生以下を除く)、料金は1泊5200円。
■区画サイトE
「区画サイトE」は生垣など隣のサイトとの仕切りがなく、1サイトあたりの定員もほかのサイトに比べると多いので、グループでの利用にもおすすめ。サイト内に車1台の乗り入れが可能だ。なお区画サイトのなかでは、「区画サイトE」のみAC電源がない。1サイトの定員は大人6人(中学生以下を除く)、料金は1泊4700円。
なお、「区画サイトE」エリア内に2サイトある「ゆったり広々サイト」のみ、各サイト内でテント2張、タープ2張もOKで、車は2台まで乗り入れられる。定員は大人6人(中学生以下を除く)、料金は1泊9400円。
■RVサイト
キャンピングカーや大型のSUVなどが横付けしたうえで、テントやタープの設営も可能な「RVサイト」。車はサイト沿いの専用通路に2台まで停められる。1サイトの広さは駐車占有スペースを含めると約65平方メートルで、テントとタープを張っても広々！さらに大容量AC電源(3000ワット)があり、コンセントの挿し口が4つも付いているので、スマートフォンの充電はもちろん、暖房機器や電気式の調理器なども使える。ペットの同伴もOKだ。1サイトの定員は大人4人(中学生以下を除く)、料金は1泊6200円。
■【コテージ】最大12人泊まれる大型コテージも！
キャンプ場内にはコテージが10棟あり、それぞれにキッチンとトイレを完備。食器類や調理器具もそろっているので、利便性が高い。一方で、寝具の用意はないので、寝袋や布団、毛布などを持参する必要がある。コテージ脇の芝生では、BBQや焚き火を楽しむこともでき、タープの設営もOKだ。ただし、テラスでのBBQは禁止となっているので注意しよう。
■小型コテージ
「小型コテージ」は1階17畳、2階9畳で、宿泊に最適な人数は大人4人だが、子供も含めると最大6人まで利用できる。1階部分には畳の小上がりがあり、存分にくつろげる作りだ。車は1台までコテージ横の専用スペースに駐車OK。7棟あるうちの2棟はバリアフリー設計となっており、車いすでも使いやすいよう配慮されている。1棟の料金は1泊1万1200円(10月・11月は暖房設備費用で＋500円)、定員は最大6人(最適は大人4人)。
■大型コテージ
キャンプ場内に3棟ある「大型コテージ」は、全棟バリアフリー。1階37畳、2階15畳と広々している。最大12名で宿泊できるので、グループ泊や合宿などにも使えそうだ。天気がよければ、3棟すべてのテラスから南アルプスの山々が望むことができる。区画サイトと同様に、チェックイン時に空いている棟から好きな1棟を選べる。1棟の料金は1泊2万2400円(10月・11月は暖房設備費用で＋1000円)、定員は最大12人(最適は大人6人)。
■【各種設備】トイレやシャワーの数は十分！コインランドリーも
広大な敷地内にはトイレが5カ所、シャワーが3カ所あり、それぞれ個数も十分。洗面台の数も多いので、歯磨きなどで順番待ちする心配もないだろう。シャワーの利用可能時間は9時～22時、100円で3分間使うことができる。
炊事場はキャンプ場内に3カ所あり、「フリーサイト」「区画サイトA」「区画サイトB」の近くに設置されている。ちなみに「区画サイトE」からも遠くはない。洗い場の数は多く、それぞれお湯も使えるのがうれしい。合成洗剤の利用は禁止なので、食器用洗剤は備え付けの無添加環境配慮石鹸を使おう。
管理棟には、売店、トイレ、シャワー、コインランドリーが集約。売店ではリンゴジュースやトマトジュースなど土産品を販売するほか、ビールやワインなどのアルコール類も取り扱う。フレンチソーセージや缶詰など、ちょっとした食材もラインナップ。また、薪は針葉樹600円、広葉樹800円(各1束)、炭は1キロ600円で購入できる。売店での購入はキャッシュレス決済のみの対応で、現金は利用できないので注意しよう。
■【遊具】巨大なローラー滑り台はスリル満点！
キャンプ場のある公園内には、子供はもちろん、大人でも遊べてしまうような遊具やアスレチックがたくさん！管理棟の前には小型の遊具があり、「区画サイトA」の管理棟寄りサイトを利用すると近い。また、キャンプ場の北側には「遊具エリア」があり、山の斜面を利用した大型遊具やアスレチックが整備されている。こちらには「フリーサイト」や「区画サイトE」、「大型コテージ」が比較的近い。
■【おすすめポイント】「星降る里」の星空や森で自然を体感！
長野県売木村は美しい星空が見られることから「星降る里」とも呼ばれている。ここ「星の森オートキャンプ場」も、もちろんそんな星空が名物のひとつ。キャンプ場は標高が高いので、天気がよければ、まるで星々に触れられそうな、星空の大パノラマが見られるだろう。
キャンプ場内にある「夢工房」では、さまざまなワークショップも開催しており、過去にはパフェ作りや木工体験などを行ってきた。また、敷地内を流れる小川でガーネットなどの宝石探しをしたり、広場でモルックの大会を行ったりと、毎月イベントが盛りだくさんだ。
キャンプ場を取り囲む森には遊歩道がいくつも整備されており、「清流いこいの森遊歩道」には小川も流れている。15分ほどの散策コースには、松ぼっくりや木の実が落ちていたりキノコが生えていたりするので、子供の自然学習にも最適！
「いきものふれあいの森遊歩道」を歩くと展望台がある。天気がよければ南アルプスの絶景を望むことができる、開放感抜群のスポットだ。
リニューアルを機に、オンラインによる事前予約・事前決済方式となったのもうれしいポイント。事前決済が必須となった代わりに、当日はQRコードを提示するだけ、最短1分ほどというスムーズなチェックインが可能になった。
そのほか、以前からの大きな変更点としては、
・音楽再生機器の使用OK(半径3メートルの範囲内だけに聞こえる音量で、22時まで)
・アコースティック楽器の演奏OK(20時まで)
・ゴミ回収サービスの終了(ゴミはすべて持ち帰り)
・キャンプ用品レンタルの終了
・AIカメラによる24時間警備(スタッフも常駐)
などがある。過去に利用したことがある人は注意しよう。
取材・文＝民田瑞歩／撮影＝古川寛二
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