曲げわっぱなどを販売する「柴田慶信商店 神楽坂店」(新宿区神楽坂6、TEL 03-6265-0047)が4月29日、神楽坂にオープンした。経営は、1966(昭和41)年創業の、天然杉を使った伝統工芸品「大館(おおだて)曲げわっぱ」などを製造・販売している柴田慶信商店(秋田県大館市)。(市ケ谷経済新聞)
「柴田慶信商店」レセプションで料理を振舞った料理家の長尾明子さん
日本橋三越本店の直営店に加え、以前は都内にも路面店を構えていたという。柴田昌正社長は「改めてまた東京に店を出したいと考え、縁も重なり神楽坂の地に決めた。私自身も訪れて大変魅力を感じた街に店を出すことができうれしさもひとしお」と話す。
「大館曲げわっぱ」は、江戸時代から伝わる秋田県大館市の工芸品。天然秋田杉の薄板に曲げ加工を施し、山桜の皮で縫い止めをして仕上げる。柴田社長は、「曲げわっぱは吸水性と通気性に優れており、料理をおいしく保つ名脇役。実際に使ってみることで、その良さが必ず伝わるはず」と自信を見せる。小倉景子店長も「私もユーザーとして、曲げわっぱにほれ込んだ。店でぜひ魅力を直接伝えられれば」と意気込む。
神楽坂店では、定番品から最新作「源平」シリーズまで約150種類の商品を取りそろえるほか、店舗奥のスペースではワークショップも開く予定。2階には貸しギャラリースペースを併設。地方でものづくりに携わる人々の作品発表の場としての活用を想定する。オープン初日のレセプションでは、料理家・長尾明子さんを招き、曲げわっぱを用いて料理を提供した。「体験や実際の使用を通じて魅力を伝えたい。今後も食や暮らしと絡めたイベントを企画していく」と柴田社長。
その他、曲げわっぱやせいろなどのメンテナンスにも対応する。「伝統工芸品というと敷居が高い印象があるが、気軽に話せる場所を設けることで、正しい扱い方なども伝えられれば、より身近に感じていただけるはず。ぜひ足を運んで利用していただければ」と来店を呼びかける。「この店を通して秋田に興味を持つ人が増えれば。旅行でも移住でも、興味を持っていただくきっかけになれたら」と、地域とのつながりにも期待を込める。
営業時間は11時~19時。火曜定休。