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民間企業の月着陸船が打ち上げ直後に捉えた、地球とのセルフィー

  • 2024年2月26日
  • Gizmodo Japan

民間企業の月着陸船が打ち上げ直後に捉えた、地球とのセルフィー
Image: Intuitive Machines 月に向かう道中でIntuitive Machinesの月着陸船「Nova-C」が捉えた地球

自社開発した月着陸船Nova-Cで、今年3つの月着陸ミッションを行なう米宇宙企業のIntuitive Machines(インテュイティブ・マシーンズ)。

日本時間の金曜午前、その1回目となるミッション「IM-1」で民間企業として初めて月面着陸に成功しました。

「オデュッセウス(Odysseus)」と名付けられた着陸船が歴史的な快挙を遂げる道中で撮影した、宇宙から見た地球の息をのむほど美しい画像を見てみましょう。

月着陸船「オデュッセウス」の道のり

Image: Intuitive Machines

つい先日、IM-1ミッションが送信してきた写真の第一弾は打ち上げ直後に捉えた光景で、手前には月着陸船の一部、後方には地球のお馴染みの青色が印象的なセルフィー数枚でした。

Intuitive Machinesによると一連の画像は、2月15日(木)にオデュッセウスがSpaceX(スペースX)社の「ファルコン9」ロケットから分離した後に撮影されたそう。

打ち上げから約48分後に所定の軌道に達したオデュッセウスは、ヒューストンにあるミッション運用センターとの無線通信を確立し、姿勢を安定させ、太陽光発電による充電を始めました。

先週金曜、同社は月着陸船の液体メタンと液体酸素を用いるエンジンの試運転を行ない、オデュッセウスが「非常に健全な状態」にあると確認。その後運用管制官たちは、着陸船を水曜日に月周回軌道へ投入させることを目的とした軌道修正を2回実施しました。

月面着陸に挑んだのは、現地時間の木曜夕方(日本時間金曜朝)。着陸時に探査機が横倒しになり、直立した状態での着地はかないませんでした。

ただ、着陸船のバッテリーやセンサー、コンピューターは生きており、当初予定してたミッションに取り組む予定とのこと。

民間企業初の快挙

近年実施されたミッションの結末を考えると楽観視はできませんでした。しかし、Intuitive Machinesは月面着陸を成功させた初の民間企業となったのです。

他の宇宙ベンチャーはそんな称号の獲得を切望するも、挑戦しては失敗に終わっています。1月にはAstrobotic(アストロボティック)社の月着陸機がバルブの故障により月面にたどり着く試みに失敗。2023年4月には日本のispace社のHAKUTO-R ミッション1は月に墜落し、2019年4月にはイスラエルのSpaceILの月探査機ベレシートも同じような運命を辿りました

Image: Intuitive Machines

NASAにとっても大事なミッション

このミッションは、民間企業に一定の頻度で月への民間及び政府所有ペイロード(積載物)を届けてもらうことを目的としたNASA商業月面輸送サービス(CLPS)構想の一環です。オデュッセウスには計12の政府所有及び商用ペイロードが積載されており、そのうち6つがNASAの科学と技術実証機器になります。

NASAいわく、月着陸船に搭載されている機器はデータを送信しており、運用管制官たちは月面着陸に向けて備えるため同データを分析したとのこと。

オデュッセウスの目的地は月の南極地方からおよそ300km離れた、幅69kmのマラパート・A・クレーターです。このクレーターはアポロ16号の着陸地点で見つかったものと似た月の高地の物質で構成されているそう。またNASAの有人月面着陸ミッション「アルテミス3」の候補地として検討されている13地点の1つマラパート山の近くです。

このミッションの成功は、月面経済と月を宇宙のさらに遠い目的地への足掛かりとして確立することにおいて大きな飛躍を意味します。

Source: X, NASA,

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