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ちょっと遠出してキャンプやハイキング、身近な自然でバーベキューやピクニック…そんなアウトドアの時間をいっそう楽しくしてくれるのが、機能的で素敵なアイテムたち。でも数多く発売されているアウトドアグッズの中からどれを選べばいいのか迷ってしまう。そこで外遊びの達人であるアウトドアブランドの社員に、おすすめを聞いてみよう。
連載第32回は、デザインと機能性に優れたフットウェアが大人気のフランス発アウトドアブランド「SALOMON(サロモン)」から、内藤 楓さん(アメアスポーツジャパン/セールス)が登場。登山を中心に、最近はフライフィッシングにも挑戦中という、自然を愛する内藤さんが選んだアイテムは?
和武器/Snow Peak
https://ec.snowpeak.co.jp/snowpeak/ja
「収納できてコンパクトになる、スノーピークの箸です。使いやすさに加えて、竹と金属の素材やデザインも気に入っていて、もう10年ほど山へ持っていっています。山でふつうのカップラーメンを食べるときでも、マイ箸だと“ひと味違うぞ”って気持ちになったり。カトラリー系は、スプーンやフォークなどもスノーピークのものを愛用していて、会社でお弁当を食べるときなんかも活躍しています」
Tote 2G極/SAYAMA works
https://sayamaworks.com/
「旅やアウトドアのサブバッグとして使っているトート。去年、全長約170kmのフランスのロングトレイル『ツール・ド・モンブラン』をセクションハイクしたときに、お土産を入れるためにこのトートを持っていきました。
使わないときはとてもコンパクトになるので荷物にならないのに、使用時はたくさんついているポケットにたっぷりものが入って、肩掛けにもリュックタイプにもなって便利。見た目もかわいいです。そのフランスの旅では、ポテチとかのど飴とか現地のお菓子をたくさん買って、パンパンになりました」
AEROLIGHT/STANLEY
https://jp.stanley1913.com/
「保温・保冷ができる魔法瓶で、山でもオフィスでも愛用しています。私は基本的には保冷用として使っていて、たとえば山では氷を入れて山頂でアイスコーヒーをつくったりするので、アイスを入れて持っていったり。飲み口が広めになっているので、わりと手が大きい私でも、中に手を入れて洗うことができるのがお気に入りのポイントなんです」
XA PRO 3D V9 GORE-TEX/SALOMON
https://salomon.jp/
「トレイルランニングやハイキングのラインナップのなかで一番人気のモデル。いわば、“サロモンの顔”といってもいい商品です。人気の理由は、アウトドアに十分使える機能と、ふだん履きもしやすいデザインが両立しているところ。“ハイキングをやってみたいけれど、本格的な登山靴を買うほどじゃなくて、まず一度行ってみたい……”という方には、とくにおすすめしたいです。
ゴアテックスのモデルなら雨でも安心。アウトドアシーンだけでなく、梅雨シーズンの街履きにもぴったりです。サロモン独自のクイックレースを採用しており、ワンタッチでひもを調整することができるので、脱ぎ履きもラクラクですよ」
AMPHIB BOLD 2/SALOMON
https://salomon.jp/
「こちらはサロモンのなかではちょっとマニアックな商品かもしれないですが、個人的にすごく好きな水陸両用のモデルです。メッシュ素材になっているので軽くて、暑い時期でもふつうのスニーカーのように蒸れないんです。水場で遊ぶときはもちろん、シンプルでスタイリッシュなデザインなのでオフィスで使ったり、ファッションに取り入れたりするのもおすすめです」
SHKOUT FLY/SALOMON
https://salomon.jp/
「サロモンというと、スキーやスノーボード、最近ではフットウェアのイメージが強いと思いますが、じつはアパレルも展開しています。なかでもおすすめなのがこのジャケット。とにかく軽くてコンパクト、そしてふだん使いしやすいシルエットやカラーなので、いろんなシチュエーションで着ることができます。
アウトドアシーンではウィンドブレーカーとして使っていますが、日ごろからリュックに入れてあるので、冷房が効きすぎて肌寒いときなんかにも羽織っています」
手ぬぐい/京屋染物店
https://kyo-ya.net/
「手ぬぐいがすごく好きで、集めているというか、集まっちゃっているという感じです(笑)。山小屋や旅先で買った50枚以上をIKEAで買った手ぬぐい専用棚にしまっていて、毎日必ず一枚を携帯しています。
そのなかでとくにお気に入りなのが、岩手県の京屋染物店で買った鹿の角柄のものと、自分でデザインしてつくったもの。汗を拭いたり、登山のあとの温泉で使ったり、あとは顔に“農家スタイル”で巻いて日よけにしたり、手ぬぐいはとにかく万能。自作の手ぬぐいは長めのサイズにして、顔や首に巻いて結びやすくしてみました!」
road sacoche (dyneema olive)/FAIRWEATHER
https://store.bluelug.com/
「自転車用品を販売しているFAIRWEATHER(フェアウェザー)のサコッシュ。UL素材(ダイニーマ)を使っていて軽量で防水、丈夫なのと、少し大きめなサイズ感とポケットの多さが購入の決め手でした。
さきほどお話したツール・ド・モンブランで行ったフランスが人生初の海外だったので、絶対にパスポートとお財布をなくしたくないとサコッシュの内側のポケットに入れて前に抱えて、クロスコードを腰に巻いてスリ対策をバッチリしました(笑)」
One Shot/EYL
https://e-y-l.com/
「山へ行くときはお財布もなるべく小さく、かさばらないものにしたいので、コンパクトかつデザインもかわいいものを探していたところ、EYLの『One Shot』に出会いました。私のふだん使いの財布と同じ2枚折りでお札が入れられて、小銭ポケットは浅めになっていて取り出しやすいところが好きなポイントです」
七味シリーズ/八幡屋礒五郎
https://shop.yawataya.co.jp/
「大学が長野県内だったので、(地元企業の)八幡屋礒五郎の七味はそば屋とか飲食店に必ず置いてあって、初めて食べたときにふつうの七味と全然違って感激したんです。それからいろいろ集めるようになって、善光寺限定缶だったり、味はガラム・マサラとかゆず七味などを試しました。アウトドアシーンで一番使っているのが、拉麺(ラーメン)七味。大好きな『サッポロ一番』の塩らーめんにかけると、本当に味がワンランク上がるんです!」
トマトパウダー
https://www.nichiga.net/
「山を歩くときは酸味がほしくなるのか、とくにトマト系の料理が食べたくなることが多いです。以前は紙パックのトマトジュースを持っていっていたのですが、重いしゴミも出るなあと思っていたところ、知人から粉末トマトを教えてもらって。これなら軽いし、ジュースよりも濃厚でリッチな味わい。“いいことを知った!”と、必需品になりました。
鉄板メニューは、ミネストローネ。野菜とウインナーとコンソメ、それからトマト粉末をたっぷり入れたらできあがり。簡単なのと、人生で初めてのキャンプで父親がつくってくれた思い出深いメニューなこともあって、よくつくるようになりました」
「温かいココアにウイスキーをちょこっと入れるのがとてもおいしくて、めちゃくちゃおすすめしたいです。私が好きなつくり方は、スティックタイプの砂糖入りココア粉末を2本ぜいたくに使って濃いめにして、そこにウイスキーを注ぐ。高級チョコレートのようなデザート感がありますし、寒い山の夜には体がぽかぽかに。
ウイスキーの銘柄にとくにこだわりはないんですが、小さくて軽いペットボトルタイプがある『ジムビーム』をいつも持っていきます。ちなみに、ホットミルクや抹茶ラテにもなかなか合いましたが、私はココアとウイスキーが一番好き」
「北アルプスの表銀座(燕岳・大天井岳・槍ヶ岳など)縦走をしたときの風景が忘れられません。そもそも登山にハマったきっかけが、大学時代に野外教育の実習で登った北アルプスでした。そのときの体験に感激して、社会人になってからもう一度歩いたときに撮影したのがこの一枚。
2泊3日の山行で、1日目は天気が悪すぎてびしょ濡れになり景色もなにも見えなかったんですが、2日目に晴れてくれて、尾根に上がるとちょうど見えたのがこの眺望でした。手前に虹がかかって奥には槍ヶ岳を望み、写真だとわかりにくいですが眼下には小さくブロッケン現象(※霧や雲のなかに人影とそれを囲む虹色の輪が現れる現象)も。もう信じられないような美しさでした……」
――そんな内藤さんがアウトドア初心者に伝えたい、「アウトドア半径を広げるコツ」とは?
「まずは、自分の身近で行きやすいところへ行ってみてほしいです。たとえば、東京都内だと奥多摩とか高尾のほうは電車で短時間で行けるし、埼玉県出身の私のおすすめは長瀞。池袋から特急ラビューに乗って1時間ほどで行けますよ。長瀞にある宝登山は登りやすいし、観光地として人気の岩畳もきれい。近くにおしゃれなカフェやお土産屋もあるので女子ふたり旅とかにぴったり。
でも、そういった有名な場所じゃなくても家の近所の河原とか丘でもよいと思っていて、まずは自然のなかに身を置いて、その空気感を味わってみてほしいです。一歩踏み出してみると、ちょっと歩きにくいから靴を探してみようとか、もう少し遠くまで行きたいから仲間を見つけようとか、次のステップにつながるはずです!」
サロモン
https://salomon.jp/
一ノ瀬 伸(いちのせ・しん)
ライター。1992年、山梨県市川三郷町生まれ。立教大学社会学部卒業後、山梨日日新聞記者、雑誌「山と溪谷」編集者などを経て2020年からフリーランス。時事やインタビューのほか、旅や自然、暮らし、精神などに関する記事を執筆している。
文=一ノ瀬伸
写真=今井知佑