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路地裏や雑然とした人込みの中など、「本当にこんなところに?」と思うような場所に、グルメの名店が隠れているのが台湾の醍醐味。そういったお店は見つけにくく、最初は入りづらいと感じるかもしれませんが、現地の人が通う本物の味に出会えたりします。
そこで今回は、台北にある知る人ぞ知る隠れた名店をご紹介します。地元の人たちに交ざって本場のおいしさを味わいたい方におすすめのお店をピックアップしました。
あるグルメに詳しい台湾人の知人がこんなことを言っていました。
「僕が一番好きな魯肉飯のお店は、市場の中にある誰も知らないようなお店なんです」
そんな話を聞いたら、行きたくなりますよね。その言葉を頼りにこれまで足を運んだことのないエリアへ行ってみました。
目指すお店は、日本で言えば築地の場外市場のような場所にあります。写真に写っている青いカバーがかかった建物、野菜と果物の卸売市場「臺北市第一果菜批發市場」です。
市場に着いたら、写真のような路地の中を進みます。両側には肉屋、魚屋、野菜屋などが所狭しと並び、通りには人とバイクが入り乱れて活気にあふれています。バイクに気をつけながら、まっすぐ進んでください。
人込みをかき分けながら歩くこと約3分。少し人通りが落ち着いてきたあたりで、目的のお店を発見しました。すでに多くの人が店先で食事をしていて、持ち帰りで購入する人の姿もちらほら。閉店近くに行くと魯肉が売り切れていることもあるようなので、訪れる際はお早めに。
店内にはイートインスペースがあり、奥には4人掛けのテーブルが2卓と、カウンター席が数席ほど。まずは入り口で注文を済ませてから、空いている席に座って料理を待ちます。メニューは壁に貼られているものだけなので、指をさしたりしながら頑張ってオーダーしてみてください。
おすすめは、「小魯肉飯(魯肉飯小サイズ)」40元に、「滷蛋(煮卵)」15元のトッピングと、「鮮蝦餛飩湯(蝦ワンタンスープ)」80元の組み合わせ。魯肉飯を注文すると、店員さんが「オリジナルの味でいいか?」「塩分控えめがいいか?」と聞いてくれます。味はしっかり濃厚ですが、あっさり感も高い。見た目のこってり感とは裏腹に、ほとんど脂っこさを感じさせません。
中央市場滷肉飯
所在地 台北市萬華區富民路145巷29號
電話番号 0903-569-670
営業時間 2:30〜11:00
定休日 月曜 ※そのほか、市場の休みに合わせての不定休
アクセス 台鉄萬華駅出口よりタクシー約8分
MRT中山駅周辺は、観光客に人気のホテルやショッピングスポットが集まり、多くの人が行き交うエリア。つい最新スポットに目が行きがちですが、その中でもクラシカルな存在感を放つ伝統的市場は今も健在。「中山牛肉麵」は、この市場の中にあります。
市場の中にあると聞くと、そのまま入り口を入ってお店を探してしまいそうですが、実は中を歩いてもお店は見つかりません。というのも、目的のお店は入り口を入らず、左側にある道をまっすぐ進んだ先にあるのです。
通路の奥へ進むと、目的のお店を発見。店内には10人ほどが座れる席が用意されています。メニューはシンプルで、牛肉麺は2種類のみ。ピリ辛醤油味の「紅焼」か、あっさり味の「清燉」からお好みで選びます。
今回は、あっさり味の「清燉」をチョイス。スープは塩みが利いていて、塩ラーメンを思わせます。麺はコシがあり、少しモチモチとした食感。スルッと食べられるやさしい味わいで、中に入っている青菜とミニトマトが食感と彩りにちょうどいいアクセントを加えています。
中山牛肉麵
所在地 台北市中山區長安西路3號
電話番号 0910-017-843
営業時間 10:30〜19:30
定休日 月、火曜
アクセス MRT中山駅出口R4より徒歩約2分
牛肉麺の隠れた名店はまだまだあります。こちらのお店は細い路地の奥にあり、この路地の入り口が思わずたじろいでしまいそうな雰囲気。そんな見つけにくい場所にあるお店ですが、地元の人に人気の牛肉麺店です。
勇気を出して路地を進むこと約1分、右手にお店が見えてきます。お店の外にも席があり、食事どきには地元の人たちで賑わっているので、どのお店かすぐにわかるはず。路地に入るまでのハードルを越えれば、あとはお店にたどり着くだけです。
入店後にうまく注文できるか不安に感じるかもしれませんが、このお店には日本語メニューが用意されています。翻訳の精度はおおよそ85点、しっかり意味が通じるレベルです。
注文方法は、サイズの「大」か「小」を選んで〇をつけ、その横に数量を正の字か数字で記入すればOK。おすすめは、メニュー表の左側一番上にある「牛肉三寶」(大270元/小260元)。
多くの牛肉麺店では、ピリ辛醤油味の「紅焼」かあっさり味の「清燉」から選べるのが一般的ですが、こちらの店舗は「紅焼」の一本勝負。牛肉の部位は選べるようですが、せっかくなら複数の部位が楽しめる「三寶」をまずは試してみてください。
テーブルには、無料のトッピングとしてラー油や高菜の漬物も用意されています。牛肉麺に高菜の漬物をのせるのは定番ですが、こちらの漬物はかなり塩気が強めなので、少なめに加えるのがおすすめです。
老牌牛肉拉麵大王
所在地 台北市中正區重慶南路一段46巷7號
電話番号 02-2381-5604
営業時間 10:00〜20:00
アクセス 台鉄/MRT台北駅出口Z10から徒歩約5分
朝早くから「なぜこんなに行列が?」と思うほどの人だかり。その正体は、台湾式おにぎり屋に並ぶお客さんたちの列です。地元の人も多く並んでいて、いかにこのお店が愛されているかが伝わってきます。
隣のファミリーマートを越えるほどの長い行列に驚くかもしれませんが、ひるまずに並んでみてください。どんなに長くても、待ち時間はおそらく20分以内です。
おにぎりは、注文を受けてから一つひとつ丁寧に手作りしてくれます。こんなに小さな店舗ですが、驚くべきはその種類の多さ。何を選べばいいのか迷ってしまうほどです。そんなときは、ほぼすべての具材が入った「綜合」55元を選ぶとよいでしょう。
こちらは「紫米綜合肉鬆」55元。お米がなぜ紫? と思う方もいるかもしれませんが、これは紫米(黒米)ともち米を一緒に炊いたごはん。朝7時以降であれば、白米のほかにこの紫米を選ぶことができます。
今回は、せっかくなのでめずらしい紫米をチョイス。モッチリした食感で、ずっしりとしたボリュームはかなりのもの。写真からもその大きさが伝わるのではないでしょうか。
中身をご覧ください。これでもかというほどたくさんの具材がぎっしり詰まっています。手際よく具材を詰めていくお母さんの動きを目視で一生懸命チェックしたところ、入っていると思われるのは、鰹節、高菜の酢漬け、たくあん、肉デンブ、油條(揚げパン)、素鬆(ベジタリアンデンブ)、目玉焼きなど。
実際に食べてみた感想としては、水分を持っていかれる系の具材が多めなのでドリンクは必須。歯ごたえある具材も多く、重さだけでなく食べごたえもたっぷり。朝からしっかりパワーチャージできそうです。
青島飯檲
所在地 台北市中正區青島西路13號
電話番号 0939-187-867
営業時間 6:30〜11:00
アクセス 台鉄/MRT台北駅出口M8より徒歩約2分
矢作 晃之(やはぎ てるゆき)
埼玉県出身。お会いした方から「日本語上手ですね」と言われますが、100%日本人です。日本での台湾関連旅行会社勤務を経て、中国語の勉強の為に30代で中国語レベルゼロからの留学を決意。その後、初めてコーディネーターという仕事に巡り合い、2006年に台湾で会社を立ち上げ、現在に至ります。TVロケや雑誌取材のコーディネーターとして、たくさんの方に台湾の魅力を知ってもらえるよう、一生懸命新たな情報を探しながら紹介しております。CREA WEB読者の皆さんに「喜ばれる」「使える」「役に立つ」情報を発信させていただこうと思っておりますので、どうぞ宜しくお願いいたします!!
文・撮影=矢作晃之