
東京の西のはじっこ。自然豊かなあきる野市に、江戸時代に建てられた蔵を改修した「甘味茶房 見世蔵久森」があります。ここで味わえるのは、南アルプス・八ヶ岳の天然氷を使った、ふわっふわのかき氷。豊富な種類の自家製シロップの中から、好きなものを選べるのも魅力です。選んで、かけて、自分好みに。時を忘れて、ひと口ごとに異なる甘美な余韻に浸ってみては。
JR「東秋留駅」から歩いて15分ほど。のんびりとした空気が流れる、あきる野市の睦橋通りに「甘味茶房 見世蔵久森」はあります。
趣ある建物は、約170年前の嘉永5年(1852年)に建てられたもの。かつてこの地域を代表する農家・森田家が使っていた見世蔵で、2013年には、国の登録有形文化財にも指定されました。
頭上には、貴重な文化遺産があちこちに。天井には「嘉永五年」の文字が刻まれた、上棟の木札も飾られています。
かつて森田家は、あきる野の澄んだ水を生かし、酒造りに励んでいました。その後、薬屋へと姿を変え、人々の健康を支える場へ。ここに並ぶ品々には、森田家が歩んできた歴史が息づいています。
庭園に面した窓際の席は、ゆるりと心をほどく特等席。窓越しに広がる景色に目を向ければ、心の奥まで自然の癒やしが広がるよう。
奥に目を向けると、特別なスペースが。実はここ、ワンちゃんと一緒に過ごせる専用のテラス席。
「旅先でも、愛犬と一緒に特別な時間を。」そんな想いを叶えてくれますよ。
ちなみに窓際には、地元アーティストが描いた食べ物の絵も飾られています。やわらかなタッチが魅力的で、見ているだけでワクワク。「ひんやり」「もちもち」「とろ~り」味わう前から、その食感を想像して心が弾みます。
かき氷の注文方法は、まずはサイズを選ぶところからスタート。レギュラー(1250円)、ミディアム(850円)、スモール(600円)の3種類から、自分好みのボリュームをチョイスします。
シロップは別売り。フルーツ系の爽やかな甘さにする?濃厚な和風テイストにする?そんな風に、選ぶ楽しさがあります。
さらに、トッピングを追加すれば、オリジナルの一杯が完成。ふわふわの氷に、こだわりのシロップとトッピングを組み合わせて、自分だけのかき氷を完成させましょう。
使用されているのは、名水百選にも選ばれた「八ヶ岳南麗高原湧水群」の天然水。口に入れた瞬間、スッと溶けるような繊細な口どけ。冷たさが「キ~ン」と響かず、まろやかで澄んだ味わいがやさしく広がります。
このかき氷は、シロップをかけるたびに、氷が変化し、まるで違う表情に。組み合わせ次第で異なる味わいに変わり、一口ごとに新しい発見があります。
「甘味茶房 見世蔵久森」では、かき氷だけでなく、こだわりの和スイーツも楽しめます。
「わらび餅あんみつ」は、吉野葛を使用したもっちりとしたわらび餅と、東京牛乳を使った濃厚なソフトクリームの組み合わせが絶妙。ひんやりとした食感と、優しい甘さが楽しめる一品です。
ひんやりスイーツを楽しんだ後は、歴史ある森田家住宅をじっくり見学してみませんか?母屋の屋根には、幕末の職人による繊細な木の装飾が施されています。職人技が息づく建築を間近で眺められるのは、とても貴重な体験。旅の思い出がより深まりますよ。
ここにしかないユニークなかき氷と、約170年前に思いを馳せられる「甘味茶房 見世蔵久森」。この夏、特別なひとときを求めて、ぜひ立ち寄ってみてください。