錦糸町と両国をつなぐ北斎通り沿いにある「北斎茶房」は、こだわりの素材でていねいにつくるわらび餅や特製あんみつなどが名物の、長く愛されている甘味処です。シンプルながら豊かな風味を感じられる和スイーツを、居心地のよい和の空間で味わってみませんか。
江戸時代の浮世絵師「葛飾北斎」の生誕地に面する、両国と錦糸町をつなぐ約1㎞の「北斎通り」。街路灯には北斎の作品が掲げられ、眺めながら歩くのも楽しい通りです。北斎茶房は、そんな北斎通りを錦糸町駅から10分ほど歩いたところにあります。
開店から20年余りの北斎茶房は錦糸町で愛される名店です。懐かしい雰囲気のガラス戸を開けて店内に入ると、天井が高く奥行きのある造りに広がりを感じます。昔ながらの長屋をリノベーションしたという建物と明るさをおさえた照明に心が落ち着く、居心地のよさを感じる空間になっています。茶釜が設えてある長いカウンターにテーブル席、正面奥にはくつろげそうな小上がりがあります。
選び抜いた素材をていねいに仕込んだつぶあんや白玉などが、器からあふれそうなほどに盛られた「茶房特製あんみつ【七福】」はぜひ味わいたい一品。
ていねいに炊いた最高級の丹波大納言のつぶあんに、抹茶とバニラのアイスクリーム、固めでしっかりとした食感の寒天、もちもちっとした白玉、求肥（ぎゅうひ）、旬のフルーツが盛られています。さらに、トッピングされたもち米100％の最中の皮は、提供前にフライパンで水分をとばすひと手間を加えているためサクサクの食感を楽しめます。それぞれの素材の味をしっかりと楽しめるあんみつは、ぜひ味わってほしいひと品です。
北斎茶房名物のわらび餅も欠かせないひと品。開店当初から変わらないレシピで作られていて、やわらかくなめらかな食感が特長。ほのかな甘みのわらび餅には香ばしいきな粉がたっぷりとまぶしてあり、黒蜜をかけていただきます。職人の手作りで数量限定のため、売り切れてしまうことが多いので早めの時間に訪れたほうがよさそうです。
抹茶好きなひとへのおすすめは「抹茶ぱふぇ」です。きれいな深緑色の抹茶寒天がたっぷりと入っていて、抹茶寒天のほろ苦さと大納言のつぶあんの甘さがよく合います。抹茶とバニラのアイスやくずした最中の皮の香ばしさも味わえるパフェです。
冷たいスイーツとともにいただく温かな抹茶やコーヒーには、カウンターに設えた茶釜の湯を使います。茶釜からの湯気や、釜からお湯を汲み上げる様子を眺めるのも穏やかな気持ちになれるひとときとなりそうです。
選び抜いた素材をていねいに仕込んだ甘味は、シンプルだからこそ感じられる風味豊かで飽きのこない味わいのものばかり。北斎茶房に流れるゆったりとした空気感のなか、こだわりの和スイーツを味わいませんか？
