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災害時にも役立つレシピ4選「パックご飯」「耐熱ポリ袋」を使った簡単ごはん

  • 2024年2月7日
  • コロカル

こんにちは。「食べもの・お金・エネルギー」を自分たちでつくる〈いとしまシェアハウス〉のちはるです。

2024年は元旦から能登半島地震など心を痛める出来事が続きました。辛い思いをされた方々の心休まる日が1日でも早くやって来ますように。そんなことばかりを考えていた年始でした。

そして今回、我が家もあらためて非常時の備蓄を見直すことにしました。

倉庫には1年分の備蓄米があり、湧き水が流れ、薪のストックがあるため、いざというときにもそこまで困らないだろうと考えてはいましたが、こういった備えが使えない状況も十分起こり得ます。

また「簡単に食べられるかたちで備蓄しておいたほうがいいのでは?」とも思い、企業に依頼して、我が家の棚田米で“温めるだけで食べられる”「パックご飯」をつくりました。

こうしておけば、いざというときに誰かの役に立てるかもしれない、そんな思いもありました。

透明なフィルムパックに入ったパックごはんの写真。赤米が混ざっているので全体的にピンク色のご飯になっている。

赤米とうるち米をミックスしたパックご飯をつくりました。もちもちな仕上がりでおいしい!

パックご飯のメリットは

・長期保存が可能(今回のパックご飯は1年半ほど)

・温めるだけで食べられる

というところ。

我が家に限っていうと、いつも食べている自家栽培米が災害時でも食べられるというのもポイントです。

今後、なにかしらの災害で私たち自身が被災する可能性もあります。そんなとき、この棚田米のパックご飯や常備食材を使ってどのような「災害時のごはん」が展開できるかを考えてみました。

今回は、備蓄の見直しのなかで決めた常備食材やアイテム、それらを使った簡単レシピを紹介したいと思います。

常備食材&アイテムを使った、我が家の簡単レシピ

常備食材と便利アイテムが並んだ写真。内容は、水、パックごはん、ゆであずき缶、乾燥桜エビ、ホタテ水煮缶、カレーパウダー缶、サバの水煮缶、トマト缶、無調整豆乳、即席たまごスープ、加熱袋(モーリアンヒートパック)、耐熱ポリ袋(アイラップ)。

上の写真にあるのが、今回我が家で導入することになった常備食材とアイテムたち。

まずは、「水」。そして常温長期保存が可能な「缶詰」「乾物」「即席食材」。さらに調理で使う「耐熱ポリ袋」、お水を注ぐと発熱する「加熱袋」も加えました。そして「パックご飯」。我が家は棚田米でつくったパックご飯ですが、市販のものでももちろん大丈夫です。

加熱袋と耐熱ポリ袋を使った、簡単「卵雑炊」

器に入った卵雑炊の写真

弱った胃腸にもやさしい、卵雑炊。

大きな災害が起こると、電気・ガス・水道などのライフラインが使えなくなる可能性があります。

そこで備蓄しておきたいのが、加熱袋。袋の中に入っている発熱剤に水をかけると、じゅうじゅうと蒸気が出て食材などが温まるというすぐれものです。

入れるのは川の水や雨水など、飲める水でなくてもOKなのもうれしい!

加熱袋「モーリアンヒートパック」のパッケージ表面と説明書の写真。

折りたためばコンパクトで場所をとりません。

このレシピでは「鍋もガスコンロもない」ことを想定した、耐熱ポリ袋での調理に挑戦します。

<材料>

・パックご飯

・飲料水 200ml

・卵スープの素

・耐熱ポリ袋

・加熱袋

・加熱袋用の水 200mlほど(雨水や川の水でもOK、海水はNG)

ポリ袋に卵雑炊の材料を入れて、袋の口を縛っている写真。

ポリ袋の耐熱温度が低いと調理中に溶けてしまったりするので、耐熱温度が約120度のものを使用。

<つくり方>

(1)耐熱ポリ袋にパックご飯の中身、卵スープの素、飲料水200ml を入れ、袋の口をしっかりと縛る

(2)加熱袋の中に(1)を袋ごとを入れ、加熱袋用の水を入れる

(3)15〜20分ほど待つ

今回初めて加熱袋を使ってみたのですが、とても簡単でした!水を入れるとすぐにぶくぶく音がしてきて、蒸気穴から湯気が立ち上ります。

1パックでとうもろこしが2本茹で上がるほどのパワー。500mlのペットボトル2本分のお湯もつくれるそう。

1パックでとうもろこしが2本茹で上がるほどのパワー。500mlのペットボトル2本分のお湯もつくれるそう。

水を入れて15分ほどで、ほかほかの卵雑炊ができあがりました。いざというときのためにも、加熱袋と耐熱ポリ袋は一緒に備蓄しておくと便利だと思いました。

耐熱ポリ袋で混ぜるだけ! 火を使わない「サバとトマトのカレー」

器に盛られたサバカレーとパックご飯の写真。

混ぜるだけでおいしいサバカレー。今回は湯煎で温めてみました。

続いては、トマト缶とサバの水煮缶を使ったカレー。サバ缶とトマト缶なら、おうちに買い置きしてあるという方も多いのではないでしょうか。混ぜるだけで食べられるので、火がなくてもつくれます。

<材料>

・トマト缶(なければトマトジュースでもOK)

・サバの水煮缶(なければ、イワシやサンマなどでもOK)

・カレースパイス 大さじ1〜1.5

・塩 小さじ2

・耐熱ポリ袋

※温めて食べたい場合は

・鍋とガスコンロ、または加熱袋

サバの水煮缶、トマト缶、カレーパウダー缶、パックご飯が並んだ写真。

これで2〜3人分のサバカレーがつくれます。

<つくり方>

(1)トマト缶、サバの水煮缶、カレースパイス、塩を耐熱ポリ袋に入れて混ぜる

この組み合わせなら、混ぜるだけでコクのあるカレーに大変身。もちろん温めてもおいしくいただけます。5分程煮込むだけで十分です。

耐熱ポリ袋のまま湯煎にかける場合は、鍋底の熱で袋に穴があかないように耐熱皿を入れると安心です。

ポリ袋調理なら洗い物の水を節水できるので、断水時などにも活躍します。

ちょっとリッチな「エビとホタテのリゾット」

器に盛られたリゾットの写真。

魚介のエキスがたまらなくおいしいリゾット。

厳しい状況だからこそ、ごはんは温かくて、エネルギーのあるものをいただきたいですよね。

実は、非常用の飲み物としてオススメしたい食材のひとつが豆乳! 意外に思われるかもしれませんが、常温で長期保存可能な食材なのです。

ただ開封後は要冷蔵、さらに傷みやすいので小さい豆乳パックを複数買っておくとよいかと思います。

<材料>

・パックご飯

・ホタテ缶(あればでOK。魚介系の缶詰が相性いいと思います)

・乾燥桜海老

・豆乳 200mlパックを1本(なければ牛乳でもOK)

・塩 ひとつまみ

・耐熱ポリ袋

・鍋とガスコンロ、または加熱袋

乾燥桜エビ、ホタテ水煮缶、無調整豆乳、パックご飯が並んだ写真。

豆乳は甘くない無調整豆乳がおすすめ。

<つくり方>

(1)材料をすべて耐熱ポリ袋に入れて、5〜10分ほど湯煎にかける

これはもう、文句なしにおいしい! 普段の食卓に出したいくらいのクオリティです。簡単につくれるので、疲れた日のちょっとしたごちそうごはんにもいいかも。

缶詰の水分や豆乳を使用するので、貴重な水を一滴も使わないで済むところもポイントです。

耐熱ポリ袋でつくる簡単「蒸しパン」

完成した蒸しパンをスライスして器に盛った写真。

日頃のおやつにもいいくらい、簡単にできました。

最後に、ちょっとおまけ。耐熱ポリ袋で湯煎してつくる蒸しパンレシピを紹介します。

<材料>

・薄力粉 100グラム

・ベーキングパウダー 小さじ1 

・砂糖 30グラム

・卵 1個(なくてもOK)

・豆乳(または牛乳) 卵の殻に2杯くらい(約40cc)

・あずき缶(お好みで)

・耐熱ポリ袋

薄力粉はホットケーキミックスでも代用できます。その場合、ベーキングパウダーはいりません。お砂糖も少なめでOK。

耐熱ポリ袋に蒸しパンの種を入れて口を縛り、湯煎にかけている写真。

つくり方は混ぜて湯煎にかけるだけ!

<つくり方>

(1)薄力粉、ベーキングパウダー、砂糖を耐熱ポリ袋に入れてよく振る

(2)卵と豆乳、あずきを入れてよく揉む

(3)耐熱皿を敷いた鍋で20〜30分ほど湯煎にかける

竹串を刺して、生地がくっついてこなければ完成。ホッカホカの蒸しパンのできあがりです!ただ、湯煎の時間が結構長いので、ガスを使うなあという印象でした。

さて、ここまで4品つくって、使った飲料水は卵雑炊の200mlのみでした(加熱用の水は200〜600ml)。普段の料理と比べると、だいぶ節水できたと思います。ここまでシビアに水やガスのことを考えて調理することはなかったのでとてもいい経験になりました。

備蓄するなら「アルファ米」がおすすめ

女の子がスプーンでご飯を食べ、その様子を父親が笑顔で眺めている写真。

おいしい! と頬張る娘。

最後に、パックご飯のお話を。

棚田米を使った特注のパックご飯、本当は“温めなくても食べられる”ものにしたかったのですが、下調べが足りず、“温め必須”のパックご飯になりました。(勉強になりました……!)

ちなみに、長期保存ができるご飯には、電子レンジや湯煎などで温めて食べる「パックご飯」と、お湯や水で戻して食べる「アルファ米」の2種類があります。

パックご飯の多くは「要加熱」と表記されており、冷たい状態だとお米に含まれるデンプンの形が“人間が消化しにくい状態”のため、加熱しないと食べられません。

震災が起こったとき、ガスなどのエネルギーは非常に貴重なため、非常時にはそのまま水を入れて食べられるアルファ米の備蓄をおすすめします。

備えあれば憂いなし。いざというときの参考になればうれしいです。

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CHIHARU HATAKEYAMA

畠山千春

はたけやま・ちはる●新米猟師兼ライター。3.11をきっかけに「自分の暮らしを自分でつくる」活動をスタート。2011年より鳥を絞めて食べるワークショップを開催。2013年狩猟免許取得、狩猟・皮なめしを行う。現在は福岡県にて食べもの、エネルギー、仕事を自分たちでつくる〈いとしまシェアハウス〉を運営。2014年『わたし、解体はじめました―狩猟女子の暮らしづくり』(木楽舎)。第9回ロハスデザイン大賞2014ヒト部門大賞受賞。ブログ:ちはるの森

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