ついついお酒がすすんでしまう組み合わせってありませんか?ビールに餃子、ハイボールに唐揚げなど、「酒の肴」は数多くありますが今回は、手軽に食べられる「つまみ」との相性にフォーカス。
全国にお住まいの本連載ライター陣におすすめの「酒とつまみ」を聞いてみました。
美酒を引き立てるつまみで、キューッと一杯ひっかけましょう。
猪苗代町には酒蔵があります。〈稲川酒造店〉は嘉永元年(1848年)創業以来、米と水に恵まれた環境を生かし、「旨い酒を届けたい」という一念で蔵人一同精魂を込めてお酒をつくっています。
伝統を感じる、落ち着いた外観の〈稲川酒造店〉。
人気の銘柄は〈七重郎〉と〈百十五〉。双方ともに鑑評会で優秀な成績を収めるすばらしいお酒で、猪苗代町のスーパーや酒屋さん、お土産屋さんで手軽に購入できます。
〈七十郎〉は4種類のテーマカラーを持ったお酒。特別純米酒から純米大吟醸まで好みのお酒が選べます。
お土産や普段飲み用に、思い切って一升瓶を購入しようと手に取り何を肴にしようかな? と思考を巡らせると、鰊(にしん)の山椒漬けを筆頭にさまざまな漬物や天ぷらが頭をよぎります。確かにマッチしますが、一升瓶を飲みきるまで、毎日漬物? てんぷら? と、迷いが生まれます。そこでおすすめしたい、日本酒と普段の食卓に並ぶおかずの接着剤。それは、チーズです。
日本酒とチーズの組み合わせは、意外と思う人も多いはず。
チーズといえばワインが定番ですが、ワインは有機酸が多く、濃厚なチーズを洗い流す効果があります。日本酒はというと、有機酸は少なくアミノ酸が多いので旨みが舌に残りやすい。つまりチーズの味を引き立たせます。さらにはチーズの豊富なアミノ酸と塩分が、日本酒の旨みを増強し天に上るかのような旨みのスパイラルを形成します。
揚げ物にソースをかける代わりに、粉チーズをパラパラ。サラダのドレッシングに加えて、チーズをトッピング。至高の組み合わせは、ハムカツ+ブルーチーズ+にごり酒。お酒は一升瓶を迷わず選びましょう。
information
稲川酒造店
住所:福島県耶麻郡猪苗代町字新町4916
TEL:0242-62-2001
MAIL:info@sake-inagawa.com
Web:稲川酒造店
photo & text
遠藤孝行 えんどう・たかゆき
福島県の会津に位置する「猪苗代町」で地域おこし協力隊をしています。もともと東京でエンジニアをしていたこともあり、ITのノウハウを活かして「ふるさと納税」と「猪苗代湖の環境保全」を担当しております。現在、協力隊3年目となり、情報発信・教育・観光事業を主とした株式会社アウレを起業しました。
秋鮭がおいしい時季がやってきました。新潟では旬の秋鮭や生筋子がスーパーに並んでいます。先日、私の大好物であるいくらをいただきに「酒と鮭のまち」と呼ばれる村上市の村上駅すぐそばにある〈石田屋〉へ行ってきました。
まず最初にご紹介するのは、人気の〈みおもて定食〉のひと皿として提供される日本酒との相性抜群の〈鮭の酒浸し〉(写真右上の角皿)です。
村上名物塩引鮭と鮭の昆布巻、鮭の酒浸し、ミニはらこ丼がセットになった〈石田屋〉の〈みおもて定食〉。
そしてもうひとつ。ビール、ハイボール、レモンサワー、日本酒などお酒全般に合うこと間違いなしのおつまみが、柏崎市〈新野屋〉の米菓〈網代焼〉です。
今回のチョイスは、手づくり「鮭とば」(調理法は若干違うものの「鮭の酒浸し」と同じく日本酒にぴったり)と子どもの頃から大好きな「網代焼」。
「レトロなお菓子」「手間ひまかけたスローフード」と、パッケージに書かれています。その言葉に妙に納得してしまう、懐かしくて、やさしくて、後を引くおいしさが〈網代焼〉にはあります。
さぁ、待ちに待った宴のはじまり。選んだお酒は、〈八海醸造〉のスパークリング日本酒〈瓶内二次発酵酒 あわ 八海山〉、〈玉川酒造〉の〈スワンレイクポーターリキュール サムライ〉、〈麒麟山酒造〉の〈麒麟山レモネード〉です。
新潟出身の漫画家、高橋留美子先生の作品『うる星やつら』のキャラクター・弁天のグラスでいただきます!
〈網代焼〉を久しぶりに食べましたが、食べる手を止めるのが大変でした(笑)。どれも絶品ですので、ぜひ試してみてください。
information
石田屋
住所:新潟県村上市田端町10-24
TEL:0254-53-2016
Web:石田屋
菓子道楽 新野屋
住所:新潟県柏崎市駅前1-5-14
TEL:0257-22-2337
Web:菓子道楽 新野屋
八海醸造株式会社
Web:八海醸造株式会社
玉川酒造株式会社
Web:玉川酒造株式会社
麒麟山酒造株式会社
Web:麒麟山酒造株式会社
profile
齋藤悦子 さいとう・えつこ
新潟在住のフリーライター。しばらく勤め人でしたが、ひょんなことからライターの道へ。南魚沼市→新潟市→阿賀町→新潟市と県内を転居する生活をしています。寝るのが大好き、朝が苦手、スノーボードとたまに登山、ラジオとエッセイとレモンチューハイが好き。Instagram:@suzuki_epi/
羅臼町は、令和3年度より職員派遣の協定を締結している今金町と交流があり、今回、私が紹介したいペアリングは今金町の日本酒と羅臼町の羅臼昆布でつくった「とろろ昆布」、そして知床羅臼の海で獲れた鮭を使った「鮭とば」です。
まずは写真の日本酒を紹介します。このお酒は、有志の方々が集まった〈今金地酒の会〉が〈二世古酒造〉に製造依頼し始まった貴重なものなのです。
今金町といえば令和3年度、国土交通省が毎年公表している全国一級河川水質調査で、町内を流れる後志利別川(しりべしとしべつがわ)が清流日本一として選出されました。酒米を育てるところからお酒の製造まで、その今金の清流の水が使われています。
一方、つまみのとろろ昆布は、日本三大昆布のひとつである、知床半島の羅臼沿岸にのみ生育している羅臼昆布でつくられており、栄養分が豊富で、手間暇かけて製品化された商品となっています。
鮭とばはライターで少し炙りながら食べてもおいしく、私は少しずつ割きながら食べるのが好きです。
お酒がすすむ北海道のペアリングで、ぜひ一杯引っ掛けてください。
profile
近藤雨 こんどう・あめ
今年5月より、北海道羅臼町の地域おこし協力隊に着任し、まちの魅力発信などの仕事をしています。出身は大分県です。ドラマ『北の国から 遺言編』のロケ地である羅臼に住んでみたいと思ったのが何よりの応募理由でした(笑) 大分とはいろんな面で異文化なことがあり、だからこその視点で情報発信をしたいと思っています。Instagram:@kondo_ame
私は地方に取材に行くことが多く、ウイスキーやラムなどの洋酒のポケットボトルをスーツケースに忍ばせています。立ち寄ったお土産店で銘菓を購入して、滞在先の宿でお風呂上がりや、帰りの新幹線のなかで至福の晩酌タイムを堪能します。
コンビニやスーパーで気軽に買える洋酒はたいていのお菓子と合う。
今回はいつものように洋酒と吉祥寺のお菓子とのペアリングを紹介しようと思ったのですが最近、地ビールとチョコレートのペアリングにもハマっているのでそちらに。
今回は、アトレ吉祥寺に今年オープンしたBean to Bar チョコレート専門店〈ダンデライオン・チョコレート The Market 吉祥寺〉の〈スモアサンド〉と、三鷹初のクラフトビール専門店〈OGA BREWING〉の〈緑星〉とのペアリングです。
吉祥寺限定のスモアサンド(550円)は、新しい吉祥寺の手土産にもおすすめ。
緑星(605円)。チョコレートとビール、お互いの個性を引き立て合うすてきな出合い。
〈スモアサンド〉は、チョコレートガナッシュを流し込んだマシュマロを一度炙り、グアテマラ産のチョコレートでコーティング。ホームメイドのグラハムクラッカーでサンドした吉祥寺限定のお菓子です。
スモアサンドとクラフトビールを合わせるとカントリーテイストな味わいが楽しめます。
香ばしいクラッカーやコーティングのチョコレートが、〈緑星〉のさわやかな麦の香りとマッチ。ムチッとしたマシュマロが舌の上でプルプル、シュワとろ〜っと消えてなくなるのが楽しくてクセになります。吉祥寺と三鷹のおいしいチョコレートとビールの融合をぜひ楽しんでみてくださいね。
information
ダンデライオン・チョコレート The Market 吉祥寺
住所:東京都武蔵野市吉祥寺南町1-1-24 アトレ吉祥寺2F
TEL:0422-22-2293
営業時間:10:00〜21:00
Web:ダンデライオン・チョコレート・ザ・マーケット
information
OGA BREWING
住所:東京都三鷹市下連雀4-1-16
TEL:0422-29-8210
営業時間:15:00〜22:00(土曜 11:00〜22:00、日曜 11:00〜20:00)
定休日:火曜
Web:OGA BREWING
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Momo*Kinari きなり・もも
ライター・エディター。東京在住。Webや雑誌、旅行ガイドブックで撮影・執筆。 国内外でグルメや観光スポットを取材。たまに料理やモノづくり、イラストの仕事もしています。 Twitter:@Momo_kinari
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Takayuki Endo, Etsuko Saito, Ame Kondo, Momo*Kinari
遠藤孝行/齋藤悦子/近藤雨/Momo*Kinari