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海野和男のデジタル昆虫記

ヘラクレスオオカブト、色が変わる

ヘラクレスオオカブト、色が変わる
2022年04月21日

上の写真は亜種リッキーだが、へラクレスオオカブトムシの標本を見ると、胸と頭は黒色だが前翅は黄色に不規則な黒点がある。個体によっても色彩や斑紋にずいぶん差がある。
産地によっても傾向がはっきりしていて、翅の色調が最も明るい黄色で黒点の少ないのはエクアドル、ポリビア、コロンビア、ブラジル、ペルーなどのアマゾン流域の亜種エクアトリアヌス である。反対にもっとも色が黒ずんでいるのが、中米のセプテントリオナリスだ。後者は比較的高地に分布し、前者は低地に分布している。こういった環境の差が色彩に影響を与えている可能性もある。
へルクレスオオカブトムシの自然状態での色彩は変化に富んでいる。緑色.かかった黄色のもの、灰色がかった黄色のもの、ほとんど真っ黒のものもいる。ところが黄色のものでも飼育していると黒くなってしまうのだ。写真は30年ほど前にベネズエラで捕まえたヘラクレスオオカブトで、旅行中にバナナを十分与えて飼育していたら、数日後には真っ黒になってしまった。
しかし絶食させておくと、また黄色みがでてくるのだ。水をしましたティッシュペーパーとともに入れておいても、黒くなる。ただその場合は外へ出すと見る見るうちに黄色みが出てくる。ベネズエラで捕らえた真っ黒なへルクレスオオカブトムシは死後1カ月ほどしてようやく黄色みがでてきた。ベエネズエラの大学の研究室には、標本になっても真っ黒なへルクレスオオカブトムシもいた。パリの博物館に保管されている古い標本には青白いはねのものもある。こうしたことから考えて、へルクレスオオカブトムシの前ばねの色彩は体内の水分量によって、はねの色彩が基本的には変化するものと思われる。しかし標本になっても真っ黒なものがいることは、違う要因もあることを示唆している。えさの質によっても影警かありそうだ。
実際、現在2ヶ月ほど前から飼っているヘラクレスオオカブトは昆虫ゼリーを与えているが、黒くはなってない。
ヘラクレスオオカブト3亜種の角の違いなどの解説動画を制作しアップしました

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