小諸のアトリエは雑木林の中にある。雑木林に囲まれた場所で暮らしたいというのが若い頃の夢だった。それが実現したのは1990年のことだ。バブルの頃の東京の真ん中は土地もマンションも今の3倍近い価格だった。とても自分のアトリエを作ることなどできなかった。ぼくは都会の真ん中は結構好きだが、中途半端な郊外というのはあまり好みではない。そこで思い切って小諸にアトリエを作ることにしたのだ。とはいっても、当時はまったく知己のいない場所で、別荘地を購入するしかなかった。
それから、もう25年が経った。ようやくアトリエの借金が終わったところだ。このアトリエがあったおかげで、ずいぶんと自然を見る目が育ったと思う。初めは夏だけの予定だった。けれど、だんだんと長く滞在するようになった。この小諸日記をはじめたおかげで、冬でも写真を撮るようになった。年のうち2/3は小諸にいた時期があった。小諸日記をはじめた1999年から5年間ぐらいだ。今は大分減って、年間100日ぐらいだろうか。
10日前の写真だが、マレーシアから戻って小諸に行った。例年より暖かく、まだ雑木林には木々に葉があった。雨が降って、翌朝霧が出た。そんな写真を撮って見た。
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