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海野和男のデジタル昆虫記

今年使った機材

今年使った機材
2013年12月30日

デジタルカメラは毎年、進化が著しいので、昔のように長く楽しめることがなくなってしまったのがちょっと悲しい。けれど、新しい機材は、確実に性能が上がる。継続して長年撮っている擬態のようなテーマ写真では、あのときに今のカメラがあったらとよく思う。
 けれど、この5年ほどは高感度特性を除けばA4プリントや、雑誌の1ページぐらいの大きさでは画質的には差はでない。本当は最終的な使用目的やサイズでカメラの買い換えを考えればよいのである。
 大は小を兼ねるという言葉があるが、デジタルカメラの場合大きいからよいというわけではないと思う。小さくても画質が良く、十分な画素数が有れば良いのだ。
 けれど今年の夏に2m近いプリントを作った時にはさすがにD800のような高画素カメラの威力を知ることになった。けれど昆虫写真では今年はD800の出番が減り、一番よく使ったのがD7100であった。撮像素子が小さくても2400万画素もあるから、小さな昆虫を撮るにはある意味この方が向いている。使ったレンズは今年発売の70-200F4が一番多かったと思う。ズームで虫を撮るなんて、10年前にはあまり考えられなかったことだ。クラシックな風貌のDfも購入した。ファインダーを覗いて、楽しいカメラで、高感度特性が一番良いカメラであることを除けば、あまり昆虫写真向きではない。
 ミラーレスではNikon1 V2もよく使った。秒60コマ連写や、FT1アダプターで85mmマクロを使えば、フルサイズ換算2.7倍が魅力だ。画質がもうすこし良く、ストロボなどのシステムが充実していれば、これだけでも仕事ができるかもしれないと思った。外部ストロボをコマンダーで使え無いのが最大の弱点だ。従ってほぼ全てが自然光での撮影だった。
 オリンパスから発売されたEM-1も素晴らしいカメラだった。フォーサーズが終焉を迎え、光学ファインダーの機種がなくなったのは悲しかったが、ある意味賢明な選択なのかもしれない。フォーサーズアダプターで以前のレンズがストレスなく使える。けれど、やはりバランス的には専用の小型のレンズが使いやすい。
 明るい12-40は最短撮影距離が20cmなのが良い。マイクロフォーサーズの良いところは小型軽量であることだ。Eシリーズの時に小型軽量化路線に行けなかったのがフォーサーズ終焉の大きな理由だろう。EM-1は画質的にも良いが、画素数的にAPSやフォーサーズに劣るのは仕方がないことなのだろうか。他の機種が高画素になっているから、そこだけがちょっと物足りない。
 動画も良く撮るのだが、ぼくの使っている機種で一番優れているのはパナソニックのGH3だ。60pが撮れ、キャノンの高価な動画専用機を除けば、現状、一眼レフでは最も動画性能や動画での使い勝手が良いと思う。
 コンパクトではTG-2が大変気に入った。このカメラのスーパーマクロは画質はそれほどではないが、ともかくもチョウの卵がアップで撮れるのだからびっくりする。このカメラに魚露目を付けると今までで一番楽しく撮れる。しかも画質は、ぼくの使った魚露目との組み合わせの中では1番に近い(写真下)。
 パスト連写で飛翔が撮れるカシオのEXシリーズは、チョウの写真愛好家には必須のものになっているが、つい先日発売されたEX-10は明るいレンズが搭載され、画質的にも今までと一線を画す性能だ。明るいレンズなら速いシャッターが切れるから、来年はもっと手軽にチョウの飛翔が撮れるようになるだろう。このカメラに搭載された全焦点マクロはパンフォーカスの昆虫写真が撮れる画期的な機能だ。この性能もZR1000の全焦点マクロとは比べものにならない進化だ。ただ広角でしか使えないのが残念だ。望遠マクロやスーパーマクロではピントが浅くなるから、難しいという側面があるが、何とか克服してもらいたいものだ。 

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