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海野和男のデジタル昆虫記

小さな撮像素子

小さな撮像素子
2012年07月07日

 今日からニッコールクラブ東北ゼミ、撮影会。今日は仙台へ移動して、D800やD4を作っているニコンの仙台工場を見学に行く。カメラ工場ははじめて探訪するので楽しみだ。ニッコールクラブ会報に記事も書く予定。
ところで最近のぼくの写真はニコン1に85mmマイクロ(マクロのことニコンはマイクロという)を付けての撮影が多い。今まで使っていなかったマウントアダプター FT1を使いはじめてたからだ。雑誌の仕事で使って,手放せなくなったのだ。
 ニコン1はぼくにとっては中途半端なカメラと思っていたが、この組み合わせでのマクロ撮影は極めて便利だ。撮像素子が小さいことで,拡大率が上がるのだ。85マイクロを付けてなんとフルサイズ換算2.7倍という倍率の写真が撮れる。とても軽い。このくらいの倍率の写真を撮るのは、フルサイズでは純正レンズを使うならキャノンのMPE65mmしかなく、ストロボ無しでは不可能な撮影となる。このレンズがあるからキャノンという人はぼくの知っているだけでもかなりいる。主さも2kgは越えるだろう。それがこの組み合わせだと700g以下である。ニコンでは今まではDXフォーマットのカメラに85マイクロ+ケンコーの2倍テレコンという組み合わせが最も軽く、純正品で行くならばD7000に105マイクロに純正2倍テレコンという組み合わせ(フルサイズ換算3倍)。これでもマクロストロボを入れれば純正品で組めばやはり2kgを越える。そうでなければ前玉はずしの改造マクロしか選択肢はない。
 マイクロフォーサーズではフルサイズ換算4倍まで35mmマクロ、シグマのマクロにEC20というテレコンを付けてフォーサーズアダプターの組み合わせで可能である。問題はいずれのレンズもMFが使い良いとは言えない(シグマ150mmマクロはかなり良いが重い)。またAFがよく効かないのも問題であった。近い将来マイクロフォーサーズの60mmマクロが発売されることが期待されるが、これだとテレコンをカマせられないから(マイクロフォーサーズにテレコンはない。なんでも光学的に無理があると聞いたことがある。)2倍までしか撮影が不可能だ。クローズアップレンズのよいものを使うしかない。V1に85mmマイクロの組み合わせはAFもよく効き、AFのままマニュアルでフォーカスできるのが便利である。しかし、ニコン1にも不便な点は多い。昆虫写真におけるニコン1の問題点はストロボ同調速度が遅い点、内蔵ストロボがない点、せっかくの秒60コマ連写が、お任せモードしかなくシャッター速度を選べない点である。
 さて小さなクロツバメシジミは可愛らしい蝶だ。先日松本で撮影。羽化したての個体はたいへん美しい。昔、田淵行男さんの本に,クロツバメシジミの黒バックのイラストがあり,綺麗だなと思ったことを思い出した。下は普通に撮った写真を拡大したもので最短撮影距離で撮影したものではない。
 クロツバメシジミの飛翔、スロー映像を動画一覧にアップしました。

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