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海野和男のデジタル昆虫記

連載「日本昆虫記」7 春になくセミ、ハルゼミ

連載「日本昆虫記」7 春になくセミ、ハルゼミ
2010年04月11日


 セミといえば夏と思ってしまうけれど、春にだけ出る変わったセミがいます。それはハルゼミです。体長が3cmほどの小型のセミで、本州、四国、九州に住んでいます。ハルゼミの住みかはマツ林です。ゴールデンウイークのころから、6月末ごろまでマツ林でセミの声を聞いたらそれはハルゼミの声です。「ムゼー・ムゼー・ムゼー」と連続的に大きな声でないています。俳句の季語では「松蝉」と呼ばれることもあります。
 ハルゼミは黒くて小さいので声は聞けても姿を見るのはけっこう難しいものです。チャンスは朝早くか薄暗くなった頃で、羽化したばかりのセミに出会うことができるかもしれません。セミの羽化はとても美しく、まるでガラス細工のような半透明のセミが殻から抜け出してきます。殻から抜け出たセミは透明の美しいはねをゆっくりと伸ばしていきます。
 日本は松林が多いので、以前は普通に見られるセミでした。ところが最近ではいなくなってしまったり、少なくなった場所も多いのです。その原因はマツを枯らすマツクイムシの防除のために農薬がまかれたりすることも大きいのではと考えられています。

下は羽化して、殻から抜け出してきたハルゼミ。まるで妖精のようだ。ハルゼミは黒くて小さな蝉なのであまり目につかない
今日のハワイ昆虫記はイエイエニいた虫

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