セミといえば夏と思ってしまうけれど、春にだけ出る変わったセミがいます。それはハルゼミです。体長が3cmほどの小型のセミで、本州、四国、九州に住んでいます。ハルゼミの住みかはマツ林です。ゴールデンウイークのころから、6月末ごろまでマツ林でセミの声を聞いたらそれはハルゼミの声です。「ムゼー・ムゼー・ムゼー」と連続的に大きな声でないています。俳句の季語では「松蝉」と呼ばれることもあります。
ハルゼミは黒くて小さいので声は聞けても姿を見るのはけっこう難しいものです。チャンスは朝早くか薄暗くなった頃で、羽化したばかりのセミに出会うことができるかもしれません。セミの羽化はとても美しく、まるでガラス細工のような半透明のセミが殻から抜け出してきます。殻から抜け出たセミは透明の美しいはねをゆっくりと伸ばしていきます。
日本は松林が多いので、以前は普通に見られるセミでした。ところが最近ではいなくなってしまったり、少なくなった場所も多いのです。その原因はマツを枯らすマツクイムシの防除のために農薬がまかれたりすることも大きいのではと考えられています。
下は羽化して、殻から抜け出してきたハルゼミ。まるで妖精のようだ。ハルゼミは黒くて小さな蝉なのであまり目につかない
今日のハワイ昆虫記はイエイエニいた虫
小諸日記は10周年。過去の日記は5年前4月 10年前4月
ビデオで配信する昆虫教室。がURLを変えて再開されました
◎学研の写真月刊誌CAPAのフォトコンに生き物の部。毎月の月末消印有効です。ふるってご応募下さい。
海野和男写真事務所へのご連絡、小諸日記へのご意見
プロフィールページのアドレスへ
掲載情報の著作権は海野和男写真事務所に帰属します。
Copyright(C) 2025 UNNO PHOTO OFFICE All Rights Reserved.