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海野和男のデジタル昆虫記

立体写真

立体写真
2009年09月02日


 立体写真専用デジカメが発売されたりしている。もともと前を向いた二つの目を持つ人間は立体視ができる。ネコやカマキリなど他の生き物を本来捕らえて食べる動物は前を向いた目があり、獲物との距離を測れる目を持っている。
 人間の左右の目の間隔は6~7cm。立体写真の原理は2台のカメラを使い、人が左右の目で見るように写真を2枚撮影する。その写真の中心が6~7cmになるように並べることで実際に両目で見たように見える。レンズとレンズの間隔をステレオベースと呼んでいるが、遠くのものを撮影するときはこのステレオベースを長く、近いものを撮影するときはステレオベースを短くする。
 昆虫などの撮影では被写体の大きさによるが、ステレオベースは1cmとか2cm程度になり、実際には2台のカメラで撮影することは不可能だ。カメラを1cm程度ずらして2度撮影する方法や、2個のレンズが一つの鏡筒に組み込まれた特殊レンズ、バリミラージュというプリズムでできたフイルターを改良してレンズの先端に付けて、立体写真を撮ったりする。
 カメラやレンズのの構造上、プリズムや2個のレンズ付きの立体レンズで一枚の写真に左右2枚の画像を記録すると、左右が逆になるので、そのまま見る場合は交差法といって、左目で右を、右目で左の写真を見ることで立体視できる。ぼくの場合は、交差法ではうまく見ることができず、左右の写真を入れ替え、左目で左の写真を、右目で右の写真を見る平行法を使っている。平衡法の難点は中心が6~7cmより大きくなると立体視が難しいことだ。それでモニターで見る場合は1枚の写真の巾を200PIX程度にする。それで写真がどうしても小さくなる。
 今日の写真は左右が325PIXのものを2枚にしたが、トリミングすることでテントウムシの間隔を6~7cmにしてみた。そうすると不完全ながらも結構よく見えるではないか。人間の目もある意味いい加減というか、フレキシブルなようだ。

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