大学時代はともかく良く昆虫採集に行った。研究者になるのをやめて、虫採りをしながらブラジルで働きたいななどとも思った。せっかくあこがれの大学に入ったのに日高研究室にも4年になるまではほとんど顔を出さなかった。
授業が休講になると、いつも多摩丘陵へ採集に行った。京王線の北野という駅から30分も歩けば、すばらしい自然があった。ホシミスジやギフチョウ、ウラゴマダラシジミなどがいた。ウラゴマダラシジミは今でも健在と思うが、ホシミスジやギフチョウはもう見ることができないと思う。
写真は中学の時にオリンパスペンD、高校の時からペンタックスSPを使っていた。オリンパスには主にサクラクとフジのポジを入れていた。36枚撮りで72枚撮れるから経済的だ。ペンタックスはモノクロのネオパンSSかカラーネガで撮り、自分で現像してプリントしていた。ペンタックスのレンズは50mmF1.4とサンという安いレンズメーカーの200mmだ。チョウを撮るのにはいつも50mm1.4にケンコーのテレプラスというテレコンを使っていた。まだマクロレンズは持っておらず、チョウ以外の昆虫は撮影できなかった。
昆虫は撮るよりも採る方が面白かったようで、当時のフイルムを見てもあまり写っていない。整理が悪くポジなど、どこかへ行ってしまったものも多い。大学3年の時に、新宿から調布に引っ越した時になくしてしまったのかなと思う。
古いネガを探していたら、1968年にネガで撮影したギフチョウの写真が出てきた。スキャンしてみるとずいぶん色が変わってしまっているようだ。プリントしたものもこのころのものはカラーは変色が激しい。ポジはサクラは結構よい色をしているが、フジは赤っぽく変色している。今では、フジのフイルムは世界最高水準だが、当時はまだまだであった。
さて、このギフチョウはどこで撮ったものだろうか。2枚しか撮影しておらず、次のカットは飼育して羽化したクモマツマキチョウだ。結構明るい色彩の個体だ。前後カットからして4月の上旬の撮影だ。その年に多摩丘陵でギフチョウの写真を撮った記憶はあるが、それがこの写真かどうかは自信がない。
多摩丘陵のギフチョウは北野から入った尾根で見ることができた。その場所はちょうど開発中で、大学を卒業する頃には、山そのものが削り取られてしまった。
ペンタックスSP 50mm1、4+テレプラス 1968
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