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海野和男のデジタル昆虫記

子供時代の思い出 信濃追分

子供時代の思い出 信濃追分
2006年12月26日


 信州をはじめて訪れたのは1958年、小学校5年生の時だ。兄が青山高校の生物部の知人から、確か「関東地方蝶類採集地案内」という本を借りてきた。当時はコピーなどないからそれを母や兄が手書きで写してくれた。カメラはあったからそれで複写すればよいのだが、そういった発想もなかったし、字が読めるほど大きくプリントするにはお金がもったいなかったのだと思う。今は何でもスキャナーやデジカメで複写する。(もっとも小諸にはスキャナーがないが・・・・)それは、それほどお金もかからず、効率的な世界である。便利な時代になったけれど、何か忘れ物をしてきたような気にも最近は少しなる。
 昨日の新聞で犯罪の通報制度のようなものができるという記事があったが、そんな部分だけは、ぼくの子供時代をも通り過ぎ、戦前に逆戻りしたのかなとも思う。
 信州ではじめて訪れたのは中軽井沢の千が滝だ。公務員の提携の宿があって、そこに泊まった。最近、公務員宿舎や議員宿舎に安い値段で入居している話が良く出るが、昔もそれはあったのだろう。一般の宿より安く泊まることができたので、昆虫採集旅行はもっぱら提携や借り上げの宿を利用した。とはいっても申し込みがなかなか大変で、半年前ぐらいから予約するのである。高級官僚はもしかしたら、もっと良い宿に楽に泊まっていたのかなとも思う。ぼくのところは安月給の平だが、母が家庭塾みたいなことをして、少し稼いでいたので、こうした旅行ができたのだ。
 話があらぬ方向になってしまったが、写真はその時に信濃追分の駅のすぐ近くで撮影されたものだ。リコーフレックスの2型で母親か兄が撮ってくれたものだ。当時の追分は道路は舗装などしていなくて、草原がひろがっていた。写真の確か右側が信越本線の線路だったと思う。曇っていたけれどチョウが多く、この写真の場所ではじめてオオヒカゲを採集した。小諸にきてから何回か訪れたが、オオヒカゲに出会うことは今のところない。この後、浅間の血の池というところまで登ってミヤマモンキチョウを採るつもりだったのだが、浅間の噴火で登山禁止になっていた。

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