日当たりのよい土手にぽっかり空いた丸い穴。直径1cmほどの小さな入り口の奥には、クモが潜んでいるのが見えた。このクモは、以前にも一度、小諸日記に登場しているものと同じ種類(→)。実は数日前に既にこの穴を見つけていたが、中のクモは確認できなかった。今日の暖かさなら間違いなく、クモを撮影できるだろうと、半ば確信して出かけたのだった。
このクモの穴は、ただ地面に掘っただけでなく、穴の内側は糸の壁になっている。その延長の糸が巣の外にアンテナのようにのびていて、近くを通る虫を感知して襲いかかるというわけだ。うまく虫が通りかかってくれればよいが、残念ながら近くを歩いているものは皆無。今日の風の強さは、地表の虫たちも歓迎していないようだ。ためしに、巣の近くを極細の枝でちょんちょんと触ってみたところ、クモが飛び出してきた。まさに目にもとまらぬ早業であった。
このクモが実際に狩りをする様子を、もう少し暖かくなったら再び狙ってみたいと思う。
20D 65mmマクロ
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