トンボの羽ばたく音とハチのブンブンという羽音が聞こえた。見ると地面に落ちたノシメトンボにクロスズメバチが襲いかかっている。飼育中のクロスズメバチに違いない。よく見ると、ノシメトンボにはムネアカオオアリが一匹噛みついている。クロスズメバチはアリを警戒して、付近を飛びまわっていたのだ。トンボを最初に捕らえたのはアリかハチかよくわからないが、いずれにしてもトンボも弱っていたのだろう。
トンボの胸は、ハチに肉を持って行かれて、中がすっかり空っぽになっている。ハチはもう何度か巣を往復したに違いない。しばらく胸の辺りを噛んでいたハチは、やがて新たな肉団子をこしらえ、巣に運び去っていった。
◎「昆虫の世界へようこそ」ちくま新書。そろそろ第2版がでます
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