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海野和男のデジタル昆虫記

アメリカに戻れないオオカバマダラ

アメリカに戻れないオオカバマダラ
2004年03月01日

今日は、エル・ロサリオに行った。オオカバマダラのコロニーとして最も大規模なもので、およそ3000万匹のチョウが集まる。
 ぼくが30年ほど前に探し求めて到達したオオカバマダラの越冬地ももエル・ロサリオだ。越冬場所は基本的には当時と全く変わっていない。けれど、人のいなかった越冬地は観光客で賑わっていた。たぶん世界で虫を見にこれほど人の集まる場所はないだろう。
 一番最近訪れたのは7年前だが、この7年間でもずいぶんと変わってしまった。厳重に管理されていて、一番多い場所にはいることは許可証があっても難しいようだ。
 観光客が増え、地元が潤い、越冬地が保護されるというよいパターンであるが、あまりの人の多さに、チョウの毎日の行動ルートは少し変わってしまったようだ。
 林の中は、累々たる蝶の死骸が覆っている。今年は1月に嵐が2度もあり、強風でチョウが落とされてしまったり、雪が多いところで8cmもつもったそうで、恐らく90%ぐらいが死亡したのではとのテーラー先生の話だった。このようなことは2002年にもありその時は75〜80%のチョウが死亡したという、ところが2003年に戻ってきたチョウはなんと前年の30%増しであったという。死亡率が高いと、生き残ったチョウの子孫が力強く生き抜く。これはどうやら生物界の一つの法則かもしれない。

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◎3月7日(日)20:00〜TBSどうぶつ奇想天外(放映日変更になりました)
特集は昨年10月取材のボルネオです。グヌン・ムル国立公園の鍾乳洞のコウモリが登場します。詳しくはバックナンバーを見て下さい。(ランタンフライについては、1月末にすでに放映されました)現在、同じくどうぶつ奇想天外の取材をメキシコで行っています


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