ぼくの使っているデジカメについての質問が結構多いので、まとめて機材を紹介しておこう。
主に使っているデジカメは3種類。左上がオリンパスのE20。左下がニコンD1X。右下がミノルタDimage7HIである。いずれも約500万画素で画質的には、現時点では十分実用的である。右上は短期借りているフジS2Proだ。
デジカメの場合はまず、メーカーによって色が違う。これはフイルムがメーカーや種類によって色が違うのと同じ事で、技術者の考え方の違いによるのだと思う。
デジカメだから色は後でどうにでもなるという考え方は好きではない。自分の好みの色を出してくれるデジカメが良いと思う。けれどフイルムでも撮影目的によって種類を変えたりもするから、何種類ものデジカメを持つことも無駄ではないかも知れない。
色はカメラによっては設定を変えることもできるし、WBの設定でもづいぶん変わるから、自分の好みの色が出るモードを選ぶ事も大切だ。
色で言えばぼくの最も好みなのはE20である。人によっては派手さが足りないと言う人もいるが、抜けのよい濁りのない青など、フイルムを越えて見たとおりに撮れる。
DIXやDimage7HIはAdobiRGB、SRGBと色空間を変えることができ、印刷に適しているのだが、実際にはまだまだ印刷所によって技術の差が大きすぎるというのが難点だ。S2Proはフジらしい色の味付けでプロビアとそっくりの色再現性を持っている。
S2proは短期の借り物なのでさておき、ぼくがこれらのカメラのどのように使い分けるかを少し書いておこう。
まず一般的な風景を撮る場合はなるべくE20を使う。それは色がよく、ぼけも美しいし、なにより立体感のある絵作りをしてくれるからだ。E20の唯一の問題点は、画像の書き込みや確認に非常に時間がかかることだ。デジカメだからやはり、とった画像は瞬時に確認したいものである。
E20は前身のE10の発展系だが、E10が出てからすでに2年以上立っている。このあたりが読み出しなどの遅さにつながってくるのだろう。しかしE20のカメラとしてまたレンズの優秀さ、少しぐらいの水濡れはものともしない堅牢さ、昔さながらのレンズシャッターなど、道具としては最も魅力的なカメラの一つである。E20の後継機はレンズ交換式のものになるだろう。その時には最新、最速のシステムカメラに変身してくれると確信している。
Dimage7HIはともかく使いやすいカメラである。極めて軽量、28~200mm相当という高倍率のズーム、瞬時の画像確認、広角と望遠でのマクロなど言うところはないカメラとも思う。けれど不満点もある。色が何となく濁っていること(7Iではもっと良かったと思うのだが)、広角でのマクロに無理があり四角いものをとるとふくらんで写ること(広角マクロのある機種はだいたいそんなものだが、そして前身の7にはもともと広角マクロモードはなく、僕たちカメラマンの要望を取り入れて広角マクロをつけたのだから、ないよりずっとよいのだが)。
Dimageは万能に使えて、かさばらないから現在のところ撮影枚数は一番多いかも知れない。こんな小さなカメラなら広角マクロ専用のDimage7WM(ワイドマクロ)や望遠専用のDimage7UT(ウルトラテレ)などあったら嬉しいのだが。
D1Xはレンズ交換ができるので、主に植物撮影や高倍率マクロに使う。魚眼での作品づくりもD1Xになる。カメラとしては極めて完成度が高く、フイルムカメラのF5にも劣らないと思う。そして何よりも嬉しいのは昔から使い慣れた30年以上前のマイクロニッコール55mm(付けてあるレンズ)などニコンマウントのレンズはほぼ全て使用可能であることだ。
ただ背が高いので、カメラを地面においての超ローアングルには使えない(昆虫撮影では結構多いことだ)、重い、こんな大きなバッテリーどうしてすぐに電池が無くなるのかなど不満もある。
◎WEBカルチャースクールX-coursehttp://www.x-course.jpにはデジカメ教室専用の掲示板もあります。質問にもできる答えます。ここに登場したカメラによる、全く加工していない作品をデータ付きでダウンロードもできます。
海野和男写真事務所へのご連絡、小諸日記へのご意見
プロフィールページのアドレスへ
掲載情報の著作権は海野和男写真事務所に帰属します。
Copyright(C) 2025 UNNO PHOTO OFFICE All Rights Reserved.