水の入ったばかりでまだ濁りのひどい田んぼに、妙な波がたっているのが見えた。心臓の鼓動くらいのリズムで波がおきている。発生源を見ると、そこにいたのはコオイムシのオスだった。背中に背負ったたくさんの卵が見えている。
波はメスを誘うためのもの。タガメも同じような波を起こしてメスを呼ぶ。空気を振動させて音を出すように、水を震動させて波を発生させている。セミが大声で鳴いているのと、本質的には同じようなものと思う。
それにしても、このオスの背中はびっしり卵で埋めつくされていて、余地がなさそうに見える。誘いにのってやってきたメスは、この様子を見てがっかりしないだろうか。
◎最新刊! 小諸日記2000年4月〜2001年3月までをまとめた「海野和男の里山日記」(B6判382ページ・カラー) 世界文化社より好評発売中。
海野和男写真事務所へのご連絡、小諸日記へのご意見
プロフィールページのアドレスへ
掲載情報の著作権は海野和男写真事務所に帰属します。
Copyright(C) 2025 UNNO PHOTO OFFICE All Rights Reserved.