ライカM3は名機である。何が名機かといえば、それはファインダーが優れているからだ。ほぼ等倍のファインダーは、肉眼で見るのと同じで、両目をあけて、のぞいても違和感がないのである。レンジファインダーカメラでは、このことが特に使いやすさに通じてくる。
ファインダーのブライトフレームは50、90、135の切り替え式で、現行の機種と比べシンプルだ。広角を使う場合は、別にファインダーを付けなければならないという不便さはある。けれどこの3本のレンズしか使わないならシンプル イズ ベストである。ともかく使いやすいカメラである。
M3が発売されたのは1954年、最終生産は1966年、写真のカメラは1957年生産の二回巻き上げタイプである。外観はかなりぼろく、ライカをコレクションと考える向きには何とひどいカメラだと言われそうだが、ぼくの持っているライカでは最も信頼できるものだ。付けてあるレンズはエルマリット90mm、1959年から生産されたレンズだ。
◎クラシックカメラで自然を撮る2002年初夏発行予定
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