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海野和男のデジタル昆虫記

今日のクラシックカメラ(コダック・ベス単)

今日のクラシックカメラ(コダック・ベス単)
2002年02月03日

ベス単とはベスト・ポケット・コダックの愛称だ。このカメラでぼくは初めてカメラというものに接した。50年近く前の話である。小学校の1年から2年まではこのカメラが唯一、家にあるカメラであったから、これでいろいろなシーンを撮影した。蛇腹から光が漏れたこともあった。面白かったのは後ろに鉄筆がついていて、それでフイルムに傷をつけデータを記入できることだった。ベス単は1912年、つまり大正元年発売といわれる。15年間で180万台も作られたベストセラー機だ。
 このカメラは1921年のパテントが記入されているからそれ以後発売されたものだ。ぼくの母が子供時代に使ったカメラだという。母は1914年生まれであるから、小学校の時のものだろう。母もカメラ好きであったようだが、戦後の困窮でカメラなどは全て売り払ってしまって、家にあったのはこれだけというありさまであった。昨日ちょっといじったら、まだ使えそうなので今度撮影してみようかなとも思っている。それにしてもぼくが小学校2年といえば1955年頃の話であるから、1921年製としても製造から35年ほどしか経っていなかったわけだ。だから当時の母にとって見れば今で言えば1965年頃のペンタックスSPなどと同じぐらいの感覚だったのかなと思う。なお背景はブラジル製のアナクシビアモルフォチョウの翅を使った皿。今は多分製造禁止だと思う。
 最近このレンズをはずしてソフトフォーカスレンズとして使うのがはやりだが、このカメラそのもので撮影した時は、レンズの全面のボードが絞りを絞る役目をし、開放で11となり、シャープな写真が撮れる。シャッターはB、T、1/25、1/50secの4速のみである。
 
「クラシックカメラで自然を撮る」人類文化社より6月発売予定。

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