左はキロン105mm2.8(ニコンマウント)、右はアベノン100mm2.8マクロだ(オリンパスマウント)、1980年代後半の等倍までいくマクロレンズである。両者共に輸出がメインだったと思われる。アベノンとかキロンという名前はあまり聞き覚えがないだろうが、国内でも買うことができ、両方ともぼくのメインレンズとして活躍した。
先日紹介したパナゴールとビビターのように双子のレンズである。焦点距離がほんの少しと、ブランドは違うが、まったく同一のレンズと思われる。この時代のレンズになると、レンズの後端に固定のレンズ群がある。これは周辺の補正の役目と、焦点距離を伸ばすテレコンのような役目をするのだと思う。最近のマクロレンズは実はほとんどがこのタイプである。(前に紹介したビビターは対称型の簡単な構造のレンズである。最小絞りまで絞る場合は、単純な構成のレンズの方が画像の劣化が少ないと思う)
アベノンもキロンも1絞り絞れば安心して使える大変良いレンズであった。今ではマクロレンズは等倍が当たり前だが、アダプター無しで等倍まで行くレンズが普通になったのはこのレンズ以降の話である。
◎クラシックカメラで自然を撮る2002年初夏出版予定
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