昨日に引き続きスイスのアルパである。アルパには一眼レフにもかかわらずレンジファインダーも付いている。6型には距離計はないが、この7型には50mmレンズに連動する距離計まで付いている。当時はまだまだレンジファインダー機全盛で、レンジファインダーのないものはカメラにあらずと言った冗談みたいな話しもある。けれど最も大きな理由はこのカメラの一眼レフファインダーは斜め45度から覗くようになっていることにある。縦位置ではこのファインダーはいささか使いにくく、レンジファインダーの出番になるというわけだ。
アルパの標準レンズはスイターとマクロスイターである。このレンズは描写に定評があり、このレンズを使いたいがためにアルパを購入する人も多い。2種のレンズはいずれも5群7枚構成のレンズで、最短撮影距離のみ異なる双子のレンズだ。スイターは約1/8倍、マクロスイターは1/3倍の接写ができる。マクロスイターのフォーカスリングはいっぱいに繰り出すまで2回転半もする。正確にピントを合わせるにはほんの少しずつ繰り出された方がよいという考え方からこうなっているのだ。けれど手持ちで撮影するときは、接写では体を前後させて行うから、繰り出しに時間がかかるのはいささか不便である。しかし三脚につけたときは逆で正確なピントあわせができる。マクロスイターにはF1.8とF1.9のものがある。描写にはさほど差がないように思うが、よりアルパらしいぼけは1.8の旧バージョン(昨日の日記のベローズにつけてあったもの)の方が期待できる。今日は1.9のものをつけてみた。マクロスイターの特徴的なぼけというのはとけるようなという表現がピッタリで、金属の食器などを斜めから撮影するとその特徴がよくわかる。しかし昆虫撮影にはいささか描写が柔らかすぎてシャープさにかけるのであまりむいていないようにも思う。
◎クラシックカメラで自然を撮る2002年初夏発行予定
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