小学校3年の頃と思うが家族会議をした。リコーフレックスというカメラを買うかどうかの相談だ。大正3年生まれの母親は結構カメラ好きで、学生時代はスナップなど楽しんでいたようだ。戦後貧しくなり、カメラや着物など金目のものは食料と交換してしまい、家には米にもならなかったボロボロのベスタンが1台あっただけだった。
その頃から家に子供が集まるようになり、いつの間にか家庭塾をしていたので多少お金に余裕ができた。とはいっても月謝200円ぐらいと思うがカメラは1万円ぐらいする。そこで父親の給料を組合から前借りして購入しようというさんたんである。そして無事家に来たのがこのカメラである。その後6年間ほど大活躍したのである。こういったことがあったことも、ぼくがすんなり写真家生活に入れたきっかけである。
◎クラシックカメラで自然を撮る2002年春出版予定
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