ナガオカさんのスピーチに続き、「もう5年も南三陸町に通いました」というNTTドコモ東北復興新生支援室の山本圭一さんが南三陸町の現状を説明。
東日本大震災によって、死者620名、行方不明者212名、全壊3143戸、半壊178戸の被害を受けた南三陸町。中心街の被害が特にひどく、全体の6割以上が何らかの被害を受けたような状況でした。震災時からは人口の減少が進んでいるものの、今は少しずつ復興が進んでいる状態だそうです。
南三陸町は、海産物が豊かなので海の町として注目されがちですが、実は森林が町の面積の八割を占めています。
南三陸町の海と森には密接な関係があります。南三陸町周辺に降った雨は、町が分水嶺に囲まれているためにすべて志津川湾に流れ、海に注いで雲になります。水が海から山へ、山から海へと循環するため、森は海と同様に南三陸町にとって大切な要素なのです。
出典:「森」について|docomo X AMITA 未来の種プロジェクト ~南三陸町 森・里・海 ものがたり~
プロジェクト発足前に、土地や人びとのことを知るために南三陸町を訪れたナガオカさん。
町を一望できる丘には、昔と今の南三陸町を比較できる写真パネルがあり、その写真が復興の進まない現状を教えてくれたといいます。当初は復興が進んでいるというイメージを持っていたため、「なんで進んでないの?」と思わず聞きたくなるような光景が広がっていたそうです。
現在、東北復興新生支援室は、無農薬でのササニシキ栽培や休耕田を畑にして当帰(トウキ)という薬草を栽培する「未来の種プロジェクト」を展開しています。
当帰は女性に嬉しい効果が多く人気があるのですが、現在国内に出回っているものはほとんどが中国産とのこと。「日本で使うものは日本で作りたい」という想いから、2012年から栽培を始めたそうです。
ナガオカさんは当帰を栽培している様子を見て、「あんな大きな会社(NTTドコモ)がこんな地道に頑張ってるんだ」と感銘を受けたそうです。NTTドコモと地元の人たちが一緒になって復興に取り組んでいるという目印になるだけでなく、このプロジェクトにかかわった人たちが山や森のことを改めて考えるきっかけにもなるからです。